Research Institute for Sustainable Humanosphere

生存圏アジアリサーチノード

生存圏アジアリサーチノードとは

生存圏科学の国際化の推進と国際連携の強化

生存圏研究所は、平成28年度から、「生存圏アジアリサーチノード (ARN)」を整備・運営することで、国際共同研究のハブ機能を強化するとともに、生存圏科学を支え、さらに発展させる国際的な人材育成を進め、地球規模で起こる課題の解決に取り組んでいます。平成28年度には、インドネシア科学院 (LIPI) にJASTIPと連携して生存圏アジアリサーチノード (ARN) 共同ラボを設置するとともに、マレーシアでの国際シンポジウムの開催、オープンセミナーのインターネット配信、インドネシアでの大気科学に関する授業や実習、生存圏データベースのミラーサーバー設置などの活動を行いました。このほか、生物資源・生物多様性に関する国際ワークショップをJASTIPと連携して宇治で開催するとともに、インドネシアでの生存圏科学スクール (HSS)の活動にも参加しました。平成29年7月19-21日には、アジアや欧米からの招待講演者を含め150名規模の第2回アジアリサーチノードシンポジウムを開催します。生存圏研究所は、「生存圏アジアリサーチノード (ARN)」の活動を通して、生存圏科学の一層の国際化を推進します。

生存圏科学アジアネットワーク

生存圏研究所が海外に展開する大型設備・フィールドを活用するために海外研究機関と連携し、生存圏科学アジアネットワークを形成しています。

大型設備・フィールド
赤道大気レーダー EAR観測所, Kototabang
アカシア熱帯人工産業林
京大サテライトオフィス

ARN & JASTIP共同ラボ

海外連携先

LIPI インドネシア科学院

LAPAN Bandung, インドネシア

RIHS インドネシア公共事業省研究開発総局人間居住研究所

NARLインド宇宙庁国立大気科学研究所

タイ・チュラロンコン大学

マレーシア理科大学

他の研究プログラムとの連携

アジアリサーチノードは、JASTIP、SATREPS、IUGONETといった他の研究プログラムと連携した活動を行っていると共に、国内の研究ネットワークである生存圏フォーラムとも連携しています。

日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点

熱帯荒廃草原の植生回復によるバイオマスエネルギーとマテリアル生産

超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究

省庁・機構・公的研究機関: 47機関, 大学: 59機関、民間企業: 35社以上

ASEANと日本のハブ機能の強化

アジアリサーチノードではインドネシア・チビノンのLIPI・生物機能材料研究センターに「生存圏アジアリサーチノード(Asia Research Node; ARN)」の共同ラボを設置しています。これらを活用し、国内の様々な研究機関が生存圏科学アジアネットワークの海外研究拠点へのアクセスを促進することで、ASEANと日本のハブ機能の役割を担っています。 さらに、海外からキャパシティビルディング活動として、海外の若手研究者を国内の施設の共同利用研究に引き込むための枠組みを組織しています。

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国際共同研究プロジェクト

生存圏アジアリサーチノードでは、生存圏科学のアジア展開に関連し、赤道ファウンテン、熱帯バイオマスの生産・循環利用・環境保全、生存圏データベースのミラリングの3つのサブ課題に関する国際共同研究プロジェクトを推進しています。

赤道ファウンテン共同研究

赤道において最大となる太陽熱エネルギーが大気運動によってファウンテンのように全球に運ばれる様子を共同研究によって明らかにしてゆきます。

赤道域で地表から放出される大気物質は、対流圏を循環しつつ積雲や巻雲の生成・発達に寄与し、さらに対流圏界面を通過して成層圏に噴出され中高緯度に広く輸送されます。赤道対流圏を源泉とする大気波動は中層大気の特異な長周期・不規則変動を駆動します。電離圏では中性風によるダイナモ電場が地球磁場と相互作用してプラズマを噴き上げます。 このような赤道域で特徴的な物質・エネルギーフローを「赤道ファウンテン」として総括的に捉え、その変動が特に激しい熱帯アジア・西太平洋域で、赤道レーダー拠点観測、広域ネットワーク観測、衛星データ、数値モデルを駆使して、その動態を解明し、全球に及ぶ大気変動を引き起こすメカニズムを定量的に解明しています。

熱帯バイオマスの生産・循環利用・環境保全共同研究

有用熱帯植物の育種、生理活性物質の生産、バイオマスの有用物質・材料への変換、熱帯材や高強度な木造住宅の建築法を研究開発し、熱帯バイオマスの生産・循環利用・環境保全に貢献します。

東南アジア地域は熱帯雨林をはじめ豊かな生物資源を有しており、熱帯産早生樹などのバイオマスを高度に利用して、森林環境の保全・育成と新産業の創成、安心で安全な生活の場を提供する大きな可能性を秘めています。インドネシアをはじめとする東南アジア地域の研究者と日本の研究者が連携し、熱帯バイオマスの特質を理解しつつ、有用熱帯植物の育種、生理活性物質の生産、エネルギー、バイオ燃料、機能性材料などへの変換法を開発し、熱帯材の劣化制御法や安価で高強度な木造住宅の建築法を開発し、熱帯バイオマスの生産・循環利用・環境保全に貢献します。

本課題ではJASTIP、SATREPSといったプロジェクトと連携し、熱帯バイオマスに関する下記の国際共同研究を推進しています。

  • 熱帯バイオマスの機能性材料、化学品、燃料への変換
  • 材料生産に適した有用樹種の探索
  • 木材食害性昆虫の侵略制御
  • 熱帯微生物や酵素を利用した環境浄化
  • 安全性の高いエコハウスや構造部材の開発
  • 有用な形質をもつ植物の育種、材料開発と荒廃地の環境修復

生存圏データベースの国際共同研究

生存圏データベースを活用した各国研究者によるデータベースの構築に導きます。

生存圏科学においては、個別の研究成果を蓄積し相互参照を推進するデータベースの整備が重要です。「生存圏データベース」は年間のアクセス回数が1億回に達しています。データ保安上も有効な、生存圏データベースの複製を海外に配置してアクセス性を向上することから始め、各国の研究者が積極的にデータベースを構築する共同研究を推進します。

「生存圏データベース」とは、研究所が蓄積してきたデータの集大成です。

  • 特にMUレーダー・赤道大気レーダー(EAR)による大気の長期観測データベースの重要性が認められ、生存圏研究所は2016年3月にICSU(国会科学会議)のWDS(世界科学データシステム)のRegular Memberに認定されました。MUレーダー・EARを含む生存圏データベースを維持・発展させ、データの国際利用の推進がICSU-WDSからも要請されています。
  • 生存圏データベースのうち独自に取得している一次データ(MUレーダー、EAR)を archive data としてコピーしてインドネシアに設置し、適宜 mirroring することでデータベースの保護を行い、インドネシアからのアクセス性の向上を図っています。
  • データ交換システムであるIUGONETの機能を活用して、インドネシア国内で生存圏データベースの活用を進めています。このため、データ記録装置(RAID, 140TB)とデータ管理用パソコンをバンドンにあるLAPANの研究センターに移設しています。
  • 生存圏研究所の木材多様性データベースを活用し、インドネシアの材鑑標本庫との共同研究を推進しています。

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人材育成

アジアリサーチノードを中心としたアジア域における研究教育ネットワークをベースに、国際的に活躍しリードできる若手研究者・技術者の養成を図ります。生存圏科学の広範な普及を図るため、国際スクール(Humanosphere Science School)をインドネシア及び他のアジア諸国において開催するとともに、生存圏アジアリサーチノードを活用した共同研究を実施し、生存圏科学を支える国際的な人材育成を進めています。

共同ラボ

インドネシア・チビノンのLIPI・生物機能材料研究センターに「生存圏アジアリサーチノード(Asia Research Node; ARN)」の共同ラボを設置し、国際共同研究の相手機関および国内の様々な研究機関との連携を強化しています。

国際スクール、シンポジウム

生存圏アジアリサーチノードを活用した共同研究や国際スクールを通じて、生存圏科学を支え、発展させる国際的な人材育成を進めています。


2016年11月 インドネシア・ボゴールにてHumanosphere Science School 2016(HSS)およびInternational Symposium for Sustainable Humanosphere(ISSH)を開催しました。


オープンセミナーの開催

ネットワーク機能を用いたオンラインミーティングシステムを利用して、各種生存圏科学に関する英語講演を海外に双方向配信するオープンセミナーを実施しています。

[RISH&LIPI, LAPAN] 2017/5/31 “Microscopic control for chemical treatment in wood flow forming” by Dr. Soichi Tanaka (Mission researcher, RISH Kyoto University)

[RISH&LIPI] 2016/10/26 “Impacts of invasive ants on ecosystem sustainability and current challenges of management” by Dr. Chin-Cheng Yang (Senior Lecturer, RISH Kyoto University)

[RISH&LIPI] 2016/9/21 “Long-term field test performance of treated wood-based and wood-plastic composites (WBCs and WPCs)” by Dr. Cihat Tascioglu (Professor, Duzce University, Faculty of Forestry, Duzce, Turkey, currently Visiting Professor at RISH, Kyoto University)

[RISH&LIPI] 2016/7/27 “Solute diffusion into cell walls in solution-impregnated wood during conditioning process”

[RISH&LIPI] 2016/6/29 “A study of long-term variation in the upper atmosphere using the IUGONET data analysis system”

Capacity Building

インドネシアを訪問して、大気科学に関する集中講義、各種の実習、演習等の提供を通じたCapacity Building活動を行っています。

・2017/4月 木質材料開発に関する研究指導およびオンラインミーティングのためのネットワークシステム構築(梅村)@LIPI

・2016/11月 レーダー観測・データ処理の基礎・データ解析演習・レーダー観測実習(橋口) @EAR観測所, Kototabang

・2016/11月 大気力学過程・大気計測法に関する集中講義(津田) @LAPAN, Bandung

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関連イベント(過去のイベント&今後の予定)

第2回生存圏アジアリサーチノード国際シンポジウム

2017/07/19-21(予定)
開催地:京都、京大宇治キャンパス

生存圏アジアリサーチノード国際シンポジウム

2017/2/20-21
開催地:マレーシア、ペナン、マレーシア理科大学

マレーシア、日本、タイ、シンガポール、台湾等から60名強の参加者があり、9名の大学院生、10名の研究者を派遣し、生存圏科学の国際化と、それを担う若手人材の育成を行いました。

第2回 生存圏アジアリサーチノード(ARN) バイオマス利用プレ会議

2017/1/23
開催地:京都、京大宇治キャンパス

72名の参加者があり、16件の海外研究者の発表を含む27件の熱帯バイオマス利用に関する研究発表が行われました。

Humanosphere Science School 2016(HSS) International Symposium for Sustainable Humanosphere(ISSH)

2016/11/15-16
開催地:インドネシア、ボゴール、ボゴール農科大学コンベンションセンター

共催: JASTIP 、SATREPS

参加者: 2日間で延べ260名

生存圏科学に関連する科学技術について議論を行った。

EAR 15周年記念国際シンポジウム

2016/8/4
開催地:インドネシア、ジャカルタ、Sari Pan Pacific Hotel

赤道大気レーダー15周年記念行事をインドネシア共和国ジャカルタで実施し、計221名の参加者がありました。

主な参加者

  • 在インドネシア日本大使館 本清耕三公使
  • インドネシア研究・技術・高等教育省(RISTEKDIKTI) Muhammad Dimyati 研究開発総括官
  • インドネシア航空宇宙庁(LAPAN) Thomas Djamaluddin 長官
  • 京都大学 稲葉カヨ 理事・副学長
  • 京都大学生存圏研究所 渡邊隆司 所長
生存圏アジアリサーチノード(ARN) バイオマス利用プレ会議

2016/02/17
開催地:京都、京大吉田キャンパス

アジアリサーチノードJASTIP, SATREPSに関する研究紹介と研究オリエンテーションに関して討議されました。(京大大学院農学研究科)

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