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ご挨拶

更新日: 2023/03/31

生存圏研究所は、2004年の発足以来18年にわたって研究活動を続けてきました。我々が目指すのは生存圏科学です。それは、人間が生きていく上で必須の空間を「生存圏」として捉え、その現状を正確に診断して評価し、生起する様々な問題に対して包括的な視点に立った解決策を提示するための研究活動です。持続発展可能な社会の構築に向け、分野横断的な新しい学問領域の開拓に取り組んできました。

生存圏研究所が発足した当時、「生存圏」は目新しい言葉でした。特に英語名称”Sustainable Humanosphere”は造語です。環境やエネルギーや資源をひっくるめ、社会全体の持続的な発展が必要であると考え、それを端的に表す名前を生み出しました。国連による「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals; 略称SDGs)」の制定は2015年ですから、我々は、約10年先に同様の目標に向かって走り始めていたことになります。

生存圏研究所は、より具体的には以下の5つのミッション、1:環境診断・循環機能制御、2:太陽エネルギー変換・高度利用、3:宇宙生存環境、4:循環材料・環境共生システム、5:高品位生存圏、を取り組むべき重要課題として設定し、その成果が人類の生活する生存圏の持続的な発展に寄与することを目指しています。

生存圏研究所は、文部科学省から「生存圏科学の共同利用・共同研究拠点」の認定を受けています。大気レーダー、大型の電波暗室、電波科学の計算機実験装置、木質材料実験棟、植物資源やバイオマス開発用の解析システム、遺伝子組み換え植物に対応した温室、木材腐朽菌や食材性昆虫の研究システム、など多くの優れた研究設備を有しています。また観測データや貴重な木材標本から構成される生存圏データベースを備えています。これらを全国さらには世界の研究者に対して開放的に運用することで、共同利用や共同研究を推進し、生存圏科学の中心となることを目指しています。

生存圏研究所は、最近では研究成果が科学研究費の全ての研究分野区分に分布するほど広がってきました。また多くの項目にわたる共同利用・共同研究の実績も高い評価を得ています。しかし、生存圏科学にふさわしい新分野開拓への期待が高まっています。そのため組織再編を行い、「生存圏未来開拓研究センター」を発足させました。新しい研究センターでは、内部に複数の研究ユニットを設けて研究に専念させることで、新興領域・融合領域の研究、学際領域の開拓を狙って参ります。一方で共同利用と共同研究については、全体の統括を「共同利用・共同研究拠点委員会」にまとめて効率化を図りました。

新しい研究センターの陣容がほぼ整い、新体制での活動が本格化しています。今後も、国内外の関連コミュニティとの連携を図りつつ、生存圏科学の発展に向けて、引き続き積極的に取り組んで参ります。皆様の一層のご支援とご協力をお願いいたします。

 

第6代所長 山本衛(20234月作成)

 

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