Research Institute for Sustainable Humanosphere

ご挨拶

 現在の地球社会には人類の生存を脅かすさまざまな事象が発生しています。化石資源の大量消費によって地球温暖化が進み、それにともない気象災害は激甚化し、また人為起源の環境汚染が広域化し、さらに人や物の長距離移動にともなう感染症が国を超えて引き起こされるなど、それらの事象はグローバル化すると同時に深刻化しています。このような問題は人間活動も含む地球システムの中に重要な要素として複雑に内包され、ある専門分野における学問の深化のみでは解決できない複合的な性格を持っています。その解決にあたっては、学際的な視点を持ちながらさまざまな分野の専門的な知識を統合してゆく必要があります。
 
 生存圏研究所では、わたしたちが生きていく上で必須の空間を「生存圏」として捉え、その現状を精確に診断して評価し、そこに生起する事象の発生原因を究明して、われわれが直面するさまざまな問題に対して包括的な視点に立った解決策を提示することを目指して活動しています。具体的には、以下5つのミッション、1:環境診断・循環機能制御、 2:太陽エネルギー変換・高度利用、3:宇宙生存環境、4:循環材料・環境共生システム、5:高品位生存圏 を研究所が取り組む重要な課題として設定し、その研究成果が私たち人類の生活する生存圏の持続性に寄与すること、すなわち持続発展可能な社会の構築を目指しています。
 
 このような分野横断的な新しい学問領域の問題に取り組むためには、国内外の関連研究者との協力体制が不可欠であり、生存圏を扱う科学の研究拠点として全国・国際共同利用・共同研究を実施しています。具体的には、大型の観測・実験設備の共用を中心とした「設備利用型共同利用・共同研究」、データベースの構築と発信を核とした「データベース利用型共同利用・共同研究」、プロジェクト研究を育成・展開する「プロジェクト型共同研究」をとおして研究活動を推進しています。
 
 また最近では、インドネシアに「生存圏アジアリサーチノード」を整備し運営することで、国際共同研究のハブ機能を強化するとともに、生存圏の科学をさらに発展させる国際的な人材の育成を進めています。多様化するグローバルな課題に対して、専門性はもちろんのこと、国際性や社会を俯瞰する力を備えた人材の輩出につながることを期待しています。

 研究所の教職員や学生を中心に、国内外の関連コミュニティと連携した教育研究活動を積極的に展開し、持続発展可能な循環型社会の構築に向けて、わたしたちが向かうべき方向性を指し示すことができるように取り組んでいきたいと考えています。みなさまの一層のご支援とご協力をお願いいたします。

                                  第5代所長 塩谷雅人

                                (2020年4月作成)
                                     
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