【産官学連携研究】木材の建築利用
更新日: 2022/03/30
生活圏木質構造科学分野と関係する産官学が協同して実施している木材の建築利用についてご紹介します。
木材の建築利用の潮流
2000年代にヨーロッパでは10階程度の木材高層建築が建てられるようになりました。それはCLT(Cross Laminated Timber)という、木材の板を繊維の方向が交わるように貼り合わせ、非常に厚く大判の木質パネルが開発されたことに由来します。また、木材が成長中に吸収した二酸化炭素を利用している間は大気中に放出しないで固定化できるという脱炭素社会の構築とも深く関係しています。現在、海外では20階を超えるような高層の建築に木材が使用されています。日本でも2000年に建築基準が変わり、木材を高層建築に使うことが可能になりました。CLTについても2016年に告示化され、CLTを用いた建築物は年々増えています。さらに木材の利用が促進されるよう研究開発がすすめられ、技術の裏付けによって法令も改正されているところです。
世界の木材高層建築物
2010年ごろ
近年
日本の木材高層建築
木造でも耐火性能を備えた部材が開発をされ2005年度以降建設が盛んにおこなわれています。
木材の建築利用に関する産官学の取り組み事例
産業界の取り組み
■経済同友会の提言:「地方創生に向けた需要サイドからの林業改革 ~日本の中高層ビルを木造建築に~」
政府の取り組み
■国土交通省/林野庁の法律制定:「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(改正木材利用促進法)」
■林野庁:木材の利用の促進について
■「CLTで地方創生を実現する議員連盟」「森を活かす都市(まち)の木造化推進議員連盟」の発足(2019年)
学術界の取り組み
■日本学術会議の提言:「地球温暖化対策としての建築分野での木材利用の促進」