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研究ミッション

更新日: 2023/06/16

生存圏の5つのミッション

生存圏研究所では、「環境診断・循環機能制御」、「太陽エネルギー変換・高度利用」、「宇宙生存環境」、「循環材料・環境共生システム」、「高品位生存圏」の5つのミッションを設定し、研究成果の実装を含めた社会貢献をめざしています。平成28年度に新設したミッション5「高品位生存圏」は、社会とのつながりや国際化、物質・エネルギーの循環を、これまでよりも重視しています。

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人の健康と安心、安全な生存圏の形成

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生存圏ミッション

ミッション1 「環境診断・循環機能制御」

地球温暖化や極端な気象現象の増加などの環境変動の将来を予測するには、大型の大気観測レーダーや衛星などで現状の大気環境を精密に測定し、診断する必要があります。また、生物圏から大気圏にわたる物質輸送・交換プロセスのメカニズムを解明することも求められます。そのうえで、資源・物質循環に関わる植物・微生物群の機能の解析と制御を通じて、化石資源によらない植物バイオマス資源・有用物質の継続的な生産利用システムの構築をめざします。ミッション1では、物質循環の観点から生存圏全体を俯瞰するよう、あつかう領域を土壌圏にまで拡げています。

ミッション2 「太陽エネルギー変換・高度利用」

太陽エネルギーを変換して高度利用するために、マイクロ波応用工学やバイオテクノロジー、化学反応などを活用して、太陽エネルギーを直接に電気・電波エネルギーや熱などに変換する研究を進めます。さらに、光合成による炭素固定化物であるバイオマスを介して、高機能な物質・材料に変換して有効利用する研究にも取り組みます。とくに高機能物質への変換を重点化し、これを要素技術だけでなく全体システムにも展開します。

ミッション3 「宇宙生存環境」

人工衛星、宇宙ステーション、ロケット、地上レーダー、計算機シミュレーションなどをもちいて、宇宙圏・大気圏の理解のための研究を深化・融合させ、生活圏や森林圏との連接性の解明に取り組みます。さらに、太陽フレアを原因とする放射線帯や磁気嵐の変動などの理解を深めて、スペースデブリや地球に接近する小惑星などの宇宙由来の危機への対策を提案できるようにします。気象・測位・通信衛星などの宇宙インフラの維持・発展にも貢献することで、宇宙環境の持続的な利用という社会的要請に応えます。さらには、生存環境への影響が甚大である小惑星の地球との衝突の可能性にそなえて、地球衝突の前に小惑星の軌道の微修正する工学的対応にも取り組みます。ミッション3では、宇宙圏環境の理解と利用だけでなく、生存環境としての維持・改善、ひいては大気圏、森林圏、生活圏との連接性も重点化します。

ミッション4 「循環材料・環境共生システム」

環境共生とバイオマテリアルの利活用を両立させるために、循環型生物資源のなかでも、とくに木質資源の持続的利用を進めます。そのために生存圏科学に由来するすべての技術を結集して生物本来の構造や機能を理解し、それらを最大限に引き出す多彩な機能性材料の創製、木質材料等を用いた安全・安心な建築技術を開発します。さらには、資源の供給源である生態系と、これを消費する人間活動との調和と発展の実現にむけて、樹木、植物、昆虫、微生物の管理・利用法を研究します。基礎・応用の両面から研究に取り組み、豊かな文化にもとづく環境未来型の生活圏のありかたを模索することで、森林環境の安定と保全をはかり、生活環境のさらなる向上を実現することを目的とします。木質資源を基盤に、自然との共存を継承・継続する技術、材料を開発するなど、「創造」を意識するミッションとして、いっそうの発展をめざします。

ミッション5 「高品位生存圏」

人類の産業・経済活動の急速な拡大により、生存圏の特性に大きな変化が生じています。人の健康や安心・安全な生活を支える生存環境もおびやかされています。そこで、これまでのミッションの成果を基礎に、人の健康や環境の調和、脱化石資源社会の構築、生活情報のための宇宙インフラ構築とその維持、木の文化と木材文明による社会貢献などに取り組み、生存圏の質を向上させます。ミッション5は、生存研が平成27年度まで5年をかけて推進してきた課題設定型共同研究「生存圏科学の新領域開拓」の発展型と位置づけることができます。国内外のコミュニティと連携しつつ、生存研のミッション全体の成果をもとに、人をとりまく生存環境の向上をめざした課題解決型の研究を推進します。

ミッション5-1 人の健康・環境調和(生理活性物質、電磁波、大気質)

植物バイオマスに由来する生理活性物質、電磁波の生態影響、大気質と安心・安全をテーマに、人の健康ならびに環境との調和に資する研究を推進します。

ミッション5-2 脱化石資源社会の構築(植物、バイオマス、エネルギー、材料)

マイクロ波によるエネルギー伝送、有用な形質をそなえた植物の育成と、エネルギー、化学品、材料への変換システムを研究し、脱化石資源社会の構築に貢献します。

ミッション5-3 日常生活における宇宙・大気・地上間の連関性

宇宙システムは、生存圏を支える重要な社会インフラである測位・観測・
通信機能などを提供しており、その機能は宇宙・大気環境や地上システムと
密接に連関している。スペースデブリのMUレーダによる観測、衛星測位
システムによる大気に関する研究、宇宙からの大気センシング技術、宇宙環境
の電力系統への影響などの研究を推進する。

ミッション5-4 木づかいの科学による社会貢献(木造建築、木質住環境、木質資源・データベース、木づかいの変遷)

日本の木にまつわる文化交流の研究は、日本と近隣諸国との関係を深く知ることにつながります。木づかいの正しい理解にもとづく未来型木質住環境を創成し、持続可能な循環型社会構築に寄与します。

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 令和4年度のミッション活動報告(PDFリンク)

過去の活動報告はこちらから

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ミッション融合研究

旧ミッション(平成16年度から平成27年度)

生存圏研究所が設立された2004年から2015年には、人類生存圏の正しい理解(診断)と問題解決(治療)を目的とし、中核研究部の各分野で蓄積された個別の科学的成果を統合して、より深く先進的なレベルで取り組む問題解決型の研究の柱「ミッション」を以下の4課題について設定して分野横断的な研究を推進してきました。
詳しくは、こちらのページをご覧ください

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(2017年12月更新)

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