Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2011(平成23) 年度 生存圏科学 萌芽研究 7

研究課題

アルカロイド輸送体を用いた植物の環境適応機構の解明と物質生産への基盤構築

研究組織

 代表者 士反伸和 (神戸薬科大学)
 共同研究者 矢崎一史 (京都大学生存圏研究所)
杉山暁史 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

植物は再生可能な資源であり、人類の永続的な生存に不可欠である。その有効利用のために、植物が環境に適応する機構を把握することは喫緊の課題となっている。環境応答の一つとして植物は昆虫など外敵から身を守るため、また害虫の天敵を誘引するために、生理活性物質である二次代謝産物を生産する。二次代謝産物は生合成後に特異的な組織に蓄積または放出され、その役割を果たしているが、その輸送機構はほとんどわかっていない。

タバコ植物は昆虫による傷害を受けた際、強い毒性を示すニコチンアルカロイドを根で生合成後、地上部へ転流し、最終的に葉の液胞に蓄積することで身を守っている。我々は、網羅的遺伝子解析からニコチン生合成酵素と共発現する 4 つの輸送体(Nt-JAT1、C215、T449、T408)に着目し、さらにその中の 1 つ Nt-JAT1 が葉の液胞へのニコチン輸送を担い転流ならびに防御に関わることを証明してきた。本研究では、これらニコチン輸送体の過剰発現、発現抑制タバコ及び培養細胞を作成し、そのニコチン含量や環境適応能を検討することで、二次代謝産物の輸送を介した環境適応機構の基礎的知見を得ることを目的とする。

アルカロイドの多くは植物由来の医薬品原料として用いられているが、薬用植物の乱獲等により将来的に供給量が減少すると考えられており、人類の持続的生存のためには形質転換植物を用いて安定的に高効率でアルカロイドを生産することが望まれる。本研究はアルカロイドの生合成・転流・蓄積を統合的に解析することで、薬用資源の高効率生産への基盤を構築することが期待される萌芽的研究である。

士反伸和: 2011(平成23)年度 生存圏科学萌芽研究

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2011年8月3日作成

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