Research Institute for Sustainable Humanosphere

研究ミッション

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新しい生存圏ミッション

生存研は、人類が直面する喫緊の課題として、これまでに「環境計測・地球再生」、「太陽エネルギー・変換利用」、「宇宙環境・利用」、「循環型資源・材料開発」の4つのミッションを基軸として、共同利用・共同研究活動を発展させてきました。さらに平成23年度からは、これら4つのミッションに加えて、人の健康に直接影響をおよぼす環境変動を正確に理解し、健康的で安心・安全な暮らしにつながる方策を見出す「新領域研究」を推進してきました。
 そしてこのたび、4つのミッションの役割をあらためて見直し、従来の4ミッションを発展的に改変するとともに、健康で持続的な生存環境を創成する新ミッション「高品位生存圏」を創設し、研究成果の実装をふくむ社会貢献をめざすことにしました。新ミッションでは、社会とのつながりや国際化、物質・エネルギーの循環を、これまでよりも重視しています。

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人の健康と安心、安全な生存圏の形成

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生存圏アジアリサーチノード

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平成28年度からは、インドネシアに「生存圏アジアリサーチノード」を整備・運営し、国際共同研究のハブ機能を強化します。生存圏科学を支え、さらに発展させる国際的な人材育成を進め、地球規模で起こる課題の解決に取り組みます。

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現行ミッション

ミッション1 「環境診断・循環機能制御」

地球温暖化や極端な気象現象の増加などの環境変動の将来を予測するには、大型の大気観測レーダーや衛星などで現状の大気環境を精密に測定し、診断する必要があります。また、生物圏から大気圏にわたる物質輸送・交換プロセスのメカニズムを解明することも求められます。そのうえで、資源・物質循環に関わる植物・微生物群の機能の解析と制御を通じて、化石資源によらない植物バイオマス資源・有用物質の継続的な生産利用システムの構築をめざします。新ミッション1では、物質循環の観点から生存圏全体を俯瞰するよう、あつかう領域を土壌圏にまで拡げています。

ミッション2 「太陽エネルギー変換・高度利用」

太陽エネルギーを変換して高度利用するために、マイクロ波応用工学やバイオテクノロジー、化学反応などを活用して、太陽エネルギーを直接に電気・電波エネルギーや熱などに変換する研究を進めます。さらに、光合成による炭素固定化物であるバイオマスを介して、高機能な物質・材料に変換して有効利用する研究にも取り組みます。新ミッション2では、高機能物質への変換を重点化し、これを要素技術だけでなく全体システムにも展開します。

ミッション3 「宇宙生存環境」

人工衛星、宇宙ステーション、ロケット、地上レーダー、計算機シミュレーションなどをもちいて、宇宙圏・大気圏の理解のための研究を深化・融合させ、生活圏や森林圏との連接性の解明に取り組みます。さらに、太陽フレアを原因とする放射線帯や磁気嵐の変動などの理解を深めて、スペースデブリや地球に接近する小惑星などの宇宙由来の危機への対策を提案できるようにします。気象・測位・通信衛星などの宇宙インフラの維持・発展にも貢献することで、宇宙環境の持続的な利用という社会的要請に応えます。さらには、生存環境への影響が甚大である小惑星の地球との衝突の可能性にそなえて、地球衝突の前に小惑星の軌道の微修正する工学的対応にも取り組みます。新ミッション3では、宇宙圏環境の理解と利用だけでなく、生存環境としての維持・改善、ひいては大気圏、森林圏、生活圏との連接性も重点化します。

ミッション4 「循環材料・環境共生システム」

環境共生とバイオマテリアルの利活用を両立させるために、循環型生物資源のなかでも、とくに木質資源の持続的利用を進めます。そのために生存圏科学に由来するすべての技術を結集して生物本来の構造や機能を理解し、それらを最大限に引き出す多彩な機能性材料の創製、木質材料等を用いた安全・安心な建築技術を開発します。さらには、資源の供給源である生態系と、これを消費する人間活動との調和と発展の実現にむけて、樹木、植物、昆虫、微生物の管理・利用法を研究します。基礎・応用の両面から研究に取り組み、豊かな文化にもとづく環境未来型の生活圏のありかたを模索することで、森林環境の安定と保全をはかり、生活環境のさらなる向上を実現することを目的とします。木質資源を基盤に、自然との共存を継承・継続する技術、材料を開発するなど、「創造」を意識するミッションとして、いっそうの発展をめざします。

ミッション5 「高品位生存圏」

人類の産業・経済活動の急速な拡大により、生存圏の特性に大きな変化が生じています。人の健康や安心・安全な生活を支える生存環境もおびやかされています。そこで、これまでのミッションの成果を基礎に、人の健康や環境の調和、脱化石資源社会の構築、生活情報のための宇宙インフラ構築とその維持、木の文化と木材文明による社会貢献などに取り組み、生存圏の質を向上させます。ミッション5は、生存研が平成27年度まで5年をかけて推進してきた課題設定型共同研究「生存圏科学の新領域開拓」の発展型と位置づけることができます。国内外のコミュニティと連携しつつ、生存研のミッション全体の成果をもとに、人をとりまく生存環境の向上をめざした課題解決型の研究を推進します。

ミッション5-1 人の健康・環境調和(生理活性物質、電磁波、大気質)

植物バイオマスに由来する生理活性物質、電磁波の生態影響、大気質と安心・安全をテーマに、人の健康ならびに環境との調和に資する研究を推進します。

ミッション5-2 脱化石資源社会の構築(植物、バイオマス、エネルギー、材料)

マイクロ波によるエネルギー伝送、有用な形質をそなえた植物の育成と、エネルギー、化学品、材料への変換システムを研究し、脱化石資源社会の構築に貢献します。

ミッション5-3 生活情報のための宇宙インフラ(測位・観測・通信機能の維持と利用)

生存圏を支える重要な社会インフラ機能である測位、リモートセンシング、通信などは宇宙システムに依拠しています。宇宙システムへの脅威であるスペースデブリの除去技術の開発、大気センシング技術の開発など、宇宙インフラ維持のための研究を推進します。

ミッション5-4 木づかいの科学による社会貢献(木造建築、木質住環境、木質資源・データベース、木づかいの変遷)

日本の木にまつわる文化交流の研究は、日本と近隣諸国との関係を深く知ることにつながります。木づかいの正しい理解にもとづく未来型木質住環境を創成し、持続可能な循環型社会構築に寄与します。

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旧ミッション(2004–2015年度)

生存圏研究所では、人類生存圏の正しい理解(診断)と問題解決(治療)のため、中核研究部の各分野で蓄積された個別の科学的成果を統合して、より深く先進的なレベルで取り組む問題解決型の研究の柱「ミッション」を以下の4課題について設定して分野横断的な研究を推進します。

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ミッション1:環境診断・循環機能制御

地球大気の観測、木質遺伝子生化学研究、木材資源の有効利用などの研究を深化融合させて、生存圏環境の現状と変動に関する認識を深め、環境を保全しつつ持続的に木質資源を蓄積・利活用するシステムの基盤の構築をめざすミッションです。

ミッション2:太陽エネルギー変換・高度利用

宇宙太陽発電所SPSの研究、木質バイオマスのエネルギー・化学資源変換の研究を進展させ、化石資源の消費量を減らし太陽輻射およびバイオマスエネルギーを利用した再生産可能なエネルギー変換利用による持続的な社会の構築をめざすミッションです。

ミッション3:宇宙生存環境

宇宙空間プラズマの研究を発展させ、地球周辺の宇宙空間の環境の探査とその探査技術の開発および宇宙自然環境・飛翔体環境の定量解析、さらにこれらの環境下の木質素材の開発利用などの研究で宇宙空間を21世紀の人類の新たな生活圏に拡大していく研究基盤の構築をめざすミッションです。

ミッション4:循環材料・環境共生システム

生物資源の中でも再生産可能かつ生産量の多い木質資源に関する研究を深化・発展させ、生産、加工・利用、廃棄・再利用に至る各段階での低環境負荷型要素技術開発を行って、持続的循環型社会を実現するための木質資源の循環システムの構築をめざすミッションです。

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2016年5月20日更新

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