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第522回生存圏シンポジウム
木材の構造-物性相関の深化
Deepen and expand the wood structure-properties relationship

更新日: 2023/12/19

開催日時 2023/10/05(木曜日)
開催場所 木質ホール
申請代表者 今井友也(京都大学生存圏研究所)

概要

木材の物性を構造ベースで理解するためには、その両者の相関を丁寧に見ることが必要である。そこで本シンポジウムでは、細胞壁のナノ構造の研究者と、木材物性の研究者にお越しいただき、国際シンポジウムを行った。

目的および具体的な内容

材料一般に、その性質はその構造に起因する。したがって物性の制御のためには材料構造の理解は必須である。木材の場合、その構造の階層性のために、どの階層の構造がどのような物性に影響を及ぼすのか、構造-物性の相関解析は複雑になりがちである。よって現状では、物性の観点から木材のナノ構造に関する理解は進んでいるものの、逆に構造から物性を裏付けることは限定的にしか達成されておらず、真の意味での構造-物性相関解析には至っていない。

本シンポジウムでは、このような複雑な思考を必要とする木材の構造-物性相関解析を進めるために、生物素材の構造解析の専門家と、木材物性の研究者による講演会を企画した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

木材の構造解析は古典的な研究であるが、未だ理解が十分に達したとは言えない。しかしこの20年の技術的進歩により、様々な解析を進めることが可能になってきた。特に小角散乱解析については、放射光施設や中性子実験施設の使いやすさの向上、フォトン計数型検出器の登場や、計算機の能力向上とpythonに代表されるスクリプト言語の発展により、一般ユーザーでも良質なデータの分析を容易に行えるようになってきた。このことは我々自身も強く感じている。本シンポジウムで講演をお願いしたPenttilä博士と西山博士はX線/中性子線散乱や物理化学的解析に長けた研究者であり、両博士の来日を機会として、木材の構造-物性相関解析という古典的問題の理解の刷新を期待できる。

また本シンポジウムは、フランスおよびフィンランドの研究者と在日本の関連研究者の間のネットワークづくりへの貢献も期待される。特に生存圏研究所からも関連の研究者に出席を頂き、生存圏科学の観点からもコミュニティの形成に一定の効果があったのではないかと考えている。

プログラム/Program

– Structure / 構造 –
13:30-14:45 Yoshiharu Nishiyama (CERMAV, CNRS, France)
Work of swelling of wood and non-ionic polysaccharides:
thermodynamics and molecular origin
14:45-15:30 Paavo Penttila (Aalto University, Finland)
Moisture interactions of microfibril structures in wood studied
with combined scattering and modelling
– Physical Properties / 物性 –
15:45-16:30 Soichi Tanaka (Kyoto University)
Understanding of wood structure for controlling physical
properties of new wood-based material
16:30-17:15 Hiroyuki Yamamoto (Nagoya University)
The unique behavior of reaction wood is the key to
understanding the structure-function relationship of wood

Organized by: Tomoya Imai
Lab of Material Biology, RISH, Kyoto University

Symposium-0522
ポスター PDF ファイル (1,253,794 バイト)

Symposium-522a Symposium-522b
Symposium-522-c Symposium-522-d

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2023年8月28日作成/11月8日更新

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