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第171回生存圏シンポジウム
熱帯地域における衛星観測データの有効活用に関する検討ワークショップ

更新日: 2015/05/22

開催日時 2011/12/16(金曜日) 13:00–17:00
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール 大会議室
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 佐藤一敏 (京都大学学際融合教育研究推進センター極端気象適応社会教育ユニット)
所内担当者 津田敏隆 (京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
関連分野 気象学、太陽地球系物理学。

目的と具体的な内容

現在測位に用いられている衛星観測データを他の分野にも応用し、熱帯地域での気象予報モデル向上などに役立てるため、多方面の衛星観測に関する専門家を招集し、意見交換をしながら問題点を明らかにして、よりよい観測・解析体制を構築することを目的とする。学際融合分野の角度の違った意見を集約することにより、効率的な観測・解析体制が構築できると思われる。またこの枠組みを通して、生存圏ミッションに対する学際的な貢献として「環境計測・地球再生」に関するあらたな連携研究課題の創出および成果を挙げることが期待できる。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

今回は衛星測位を用いて観測・解析している電離圏物理・気象学分野の学際融合分野の初めてのシンポジウム開催であり、10 名の方々にそれぞれの専門分野についてご講演をいただき、相互理解を深める機会とさせていただいた。同じ地域のデータを用いてはいるものの、それぞれ独自の観測網で展開されている解析結果もあり、これらのデータを相互流通させることによって、新たな学際分野の課題を創出することが期待される。日本のように GPS 連続観測網のインフラが整備され誰でも自由に使える環境とは違い、東南アジアなどの熱帯地域では各機関が独自に持ち込んだあるいは構築したデータが多く、自由に使える観測データの数は限られている。現在は米国の GPS のみであるが、今後ロシアの GLONASS、欧州の Galileo、中国の Compass、日本の QZSS (準天頂衛星)、インドの IRNSS などが整備されると、東南アジア域は世界で一番可視衛星が安定して取得できることが期待されている。それを見越して、今後の観測網の展開や現地研究機関との協力を通じて、自由に使える観測データの確保とその成果の現地への社会還元ができるグループづくりを、このシンポジウムのメンバーを核として実施していきたいと考えている。また今回参加していただいたメンバーの中には企業の皆さんもいらっしゃったので、産学連携のプロジェクトに発展させて推進していこうと考えている。

プログラム

13:00–13:05 津田敏隆 (京大)
オープニング
13:05–12:20 進 (京大)
GWのsaturationと熱圏への伝搬
13:20–13:40 齋藤昭則 (京大院理)・橋学 (京大防災研)
GNSSと衛星搭載SARによる電離圏の観測とそれらに与える電離圏の影響
13:40–14:00 大塚雄一 (名大太陽地球環境研)
インドネシアでの電離圏シンチレーションのGPS観測
14:00–14:20 津川卓也 (情報通信研究機構)
GPS受信機網を利用した高解像度電離圏全電子数観測:現状と今後の展望
14:20–14:40 三吉基之 (宇宙航空研究開発機構)
複数GNSS観測ネットワークについて
 
14:40–14:50
 
15:00–15:20 佐藤一敏・津田敏隆・Eugenio Realini・大井川正憲・岩城悠也 (京大生存研)
GNSSを用いた高分解能水蒸気水平分布監視システムの開発
15:20–15:40 川畑拓矢 (気象研)
沖縄ガーブ川豪雨事例におけるGPS視線遅延量同化の降水予報へのインパクト
15:40–16:00 弘 (気象研)
LETKFを用いた可降水量の同化実験
16:00–16:20 小司禎教 (気象研)
熱帯域でのGPS準リアルタイム解析とサイクロンNargisの同化実験
16:20–16:40 吉本浩一 (気象庁)
GPS可降水量の全球解析への利用
16:40–17:00 総合討論・今後の展開

 

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