menu

新規なリグニン分解反応系の開発とリグニン改変植物への適用
Development of novel lignin-degrading reaction systems and their application to lignin-modified plant

更新日: 2023/12/27

氏名 謝 冰
共同研究者 飛松裕基
採択年 2023(令和5) 年度

関連ミッション

  • ミッション2  「太陽エネルギー変換・高度利用」
  • ミッション5-2「脱化石資源社会の構築(植物、バイオマス、エネルギー、材料)」

研究概要

持続型社会の構築に向けて、化石資源に代えて再生可能資源である木質バイオマスを様々な有用化成品に変換するバイオリファイナリーシステムの開発研究が世界的に加速している。木質バイオマスの主要成分であるリグニンは、地球上で最も豊富に存在する芳香族ポリマーであることから、プラスティックや燃料等に変換可能な芳香族系化成品の原料としての利用が期待されている。しかし、リグニンは種々のC-C及びC-O-C結合からなる複雑かつ多様な高分子構造を持つことから、従来のリグニンの低分子変換法には、過酷な反応条件(高温・高圧)が必要とされ、副反応が制御できない、生成物の選択性が低い、生成物の再重合の進行、生成物の分離と精製に関する課題など問題点が多数あった。現在多くのリグニン分解研究が、高選択性で温和な条件下で、リグニンを特定の化学品に直接変換できる解重合プロセスの開発に着目している。
研究代表者は、バイオミメティックなリグニンの酸化分解反応システムとして、電解メデイエーターシステム(EMS)酸化反応の開発を行ってきた。これまでに、リグニンモデル化合物の効率的な電解酸化を仲介するメディエーターを複数見出しに、それらがリグニンの主要な結合様式に対して異なる反応性を示すことを見出している。本研究では、これらEMS酸化反応を各種天然リグニンの分解へと適用するとともに、光触媒等を用いた新たなリグニン分解反応系の探索も行う予定である。さらに、これらリグニン分解反応系をリグニンの構造を改変した遺伝子組換え植物や変異体に適用し、反応系の最適化と原料リグニンの構造制御を合わせたバイオマス分解効率の相乗的な向上を検討する。これらの研究を通じて、リグニンの多段階分解を精密に制御し、より付加価値の高い芳香族化合物を得るための効率的な方法を開発することを目指している。

Symposium-0510a

ページ先頭へもどる
2023年12月26日作成

一つ前のページへもどる

〒 611-0011 京都府宇治市五ヶ庄
TEL: 0774-38-3346 FAX: 0774-38-3600
E-mail: webmaster@rish.kyoto-u.ac.jp