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大型大気レーダーによる環境計測(5, 7)

更新日: 2016/01/05

大型大気レーダーによる環境計測においては、MUレーダーと赤道大気レーダー(Equatorial Atmosphere Radar、以下ではEAR)による全国・国際共同利用によって、気象学・大気科学・電離層物理などの研究を推進しています。MUレーダーは、世界最大の電気通信情報分野の学会であるIEEEにより、1984年に開発された世界初の電子式位相制御2次元アレイアンテナ技術を備えた世界初の大気レーダーであって、後に大きな技術発展をもたらした技術成果として「IEEEマイルストーン」に認定されました(2015年5月)。

EARは、2001年にインドネシア・スマトラ島の赤道直下に設置された海外研究拠点であって、インドネシア航空宇宙庁との協力関係のもとで、現在まで長期連続観測を軸に赤道大気の研究を進めてきました。大型大気レーダーは、マイクロ波エネルギー伝送用アンテナの基礎技術であり、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の観測に活用され、電離圏研究の成果は衛星通信やGPS測位精度の向上に直結するなど、宇宙圏の研究に関連は深い。また森林圏については、大気圏の物質交換の研究が実施され、衛星搭載レーダーによるモニタリングが行われています。

将来への発展として大型研究「太陽地球結合過程の研究基盤形成」を構想し日本学術会議マスタープラン2014と文科省ロードマップ2014に採択されました。この中では、インドネシア赤道域にMUレーダーとほぼ同感度の「赤道MUレーダー」の建設することを、EISCAT_3Dレーダーや広域観測ネットワーク計画とともに提案中です。

ju-rc2015-09ss拡大図

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2015年8月13日作成,2015年8月19日更新

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