研究課題
リグニン由来化合物の生産のための環境汚染物質分解菌の利用
研究組織
代表者 | 渡邊崇人(京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 藤原秀彦(別府大学食物栄養科学部) 廣瀬遵(宮崎大学工学教育研究部) 末永光(産業技術総合研究所) 木村信忠(産業技術総合研究所) |
関連ミッション |
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研究概要
自然界から供給される芳香族化合物の多くは植物リグニン由来である。リグニンはまず木材腐朽菌等により部分的に分解されるとその分解生成物である芳香族化合物の多くは土壌中に供給される。土壌中には、リグニンから供給された芳香族化合物を分解して増殖する細菌が数多く存在する。我々は、前年度の生存圏ミッション研究においてPseudomonas属やRhodococcus属細菌合計16菌株のリグニン分解生成物等に対する資化性・分解性を詳細に調べた。その結果、資化・分解能が高く、生育も非常に良好である菌株が存在した。なお、本研究で用いる細菌は、主に難分解性芳香族化合物で汚染された地域より単離された環境汚染物質分解菌であり、天然には存在しない芳香族化合物を分解できる新規な分解系を有する場合がある。そこで、本年度では、これらの菌株のゲノム情報を利用しながら、また、前年度に確立したこれらの細菌に対応させたプロテオミクスの手法も用いて環境汚染物質分解菌による「リグニン分解生成物等の分解系遺伝子の探索・同定」を前年度に引き続き行う。また、これにより得られた情報を基に「有用物質生産に向けた分解菌の育種」を試みる。
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2015年7月28日作成