研究課題
木質バイオマスからの有用物質生産に向けた環境汚染物質分解菌が持つ芳香族化合物分解代謝系の利用
研究組織
代表者 | 渡邊崇人 (京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 藤原秀彦 (別府大学食物栄養科学部) 廣瀬遵 (宮崎大学工学教育研究部) 末永光 (産業技術総合研究所生物プロセス研究部門) 木村信忠 (産業技術総合研究所生物プロセス研究部門) |
関連ミッション |
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研究概要
自然界から供給される芳香族化合物の多くは植物リグニン由来である。土壌中には、リグニンから供給された芳香族化合物を利用して生育する細菌が数多く存在する。これらの細菌は、ある意味、リグニンの末端分解に関与していることから「末端リグニン分解菌」とも呼ぶことができる。現在、我々は、細菌の芳香族化合物分解代謝系として Pseudomonas 属や Rhodococcus 属細菌が持つ環境汚染物質分解代謝系に注目している。これらは汚染物質が環境に放出された後に形成された新規な芳香族化合物分解代謝系と考えられるが、元々は細菌が既に持っていた、例えば、天然の芳香族化合物分解代謝系等を雛形として適応・進化してきた分解代謝系とも考えられる。以上を踏まえ、本研究では、生存圏科学と関わりのある「木質バイオマスの利活用・資源変換」の一環として環境汚染物質分解菌の持つ芳香族化合物分解代謝系を利用し、主にリグニン分解物から付加価値の高い化合物を作ることを最終目標とする。そこで、今回は、「①環境汚染物質分解菌の木質バイオマス由来、特にリグニン分解物の資化・分解能の把握; ②リグニン分解物の分解代謝系遺伝子の探索・同定; ③有用物質生産に向けた代謝変異株の育種」を試みる。
図: 環境汚染物質分解菌の芳香族化合物分解代謝系を木質バイオマス変換に利用できないだろうか?
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2014年7月15日掲載,2015年8月7日更新