Research Institute for Sustainable Humanosphere

第451回生存圏シンポジウム
第15回MUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウム

開催日時 2021(令和3)年9月9日(木)13:30~10日(金)16:50
開催場所 オンライン開催
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 橋口浩之 (京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信。

Web サイト: https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ear/sympo.html

概要

本研究集会では、MUレーダー・赤道大気レーダー共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論された。29件の発表が全て口頭発表で行われ、活発な議論が展開された。プロシーディング集を編集し、ホームページで公開した。

目的と具体的な内容

MUレーダーは滋賀県甲賀市信楽町に位置する中層・超高層及び下層大気観測用VHF帯大型レーダーで、1984年の完成後すぐから全国国際共同利用に供されてきた。2003年度に「MUレーダー観測強化システム」が導入され、レーダーイメージング観測などの機能向上が図られている。MUレーダーは、アクティブ・フェーズドアレイシステムを用いた世界初の大規模大気レーダーとして、大気科学やレーダー技術の発展に貢献したことが評価され電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会であるIEEEより、IEEEマイルストーンに認定された。また、国内の電子情報通信学会マイルストーン、電気学会「でんきの礎」にも認定された。一方、インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー(EAR)は、2000年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、2005年10月からEARとその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論することを目的とする。

従来MUレーダーシンポジウム、赤道大気レーダーシンポジウムとして別々に研究集会を開催してきたが、両レーダーの連携した共同利用研究を一層促進するために、2012年6月に両共同利用委員会を統合したことを受けて、2012年度よりMUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウムとして開催している。本シンポジウムでは、29件の発表が全て口頭発表で行われ、1件当り20分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。今回は新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大防止のため、オンラインで開催した。外国人による発表も6件行われた。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集としてホームページに掲載した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる5つのミッションのうち、主としてミッション1「環境診断・循環機能制御」に、一部ミッション3「宇宙生存環境」およびミッション5「高品位生存圏」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア国家研究イノベーション庁・航空宇宙研究機構(LAPAN/BRIN)との協力のもとで運営している。また、信楽MU観測所では国内の大気環境計測の重要地点として、MUレーダーを中心として様々な測器の開発、観測実験が実施されている。本シンポジウムでは、MUレーダー・赤道大気レーダーを中心として中緯度・赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。

プログラム

9月9日

(座長: 橋口浩之)
13:30–13:40 MUレーダー・赤道大気レーダー共同利用の現状
MUレーダー/赤道大気レーダー共同利用・共同研究拠点専門委員長 山本衛
13:40–14:00 航空機監視装置から得られる高頻度気象情報の誤差評価と補正手法の開発
吉原貴之・瀬之口敦・毛塚敦・齋藤享・古賀禎(ENRI)
14:00–14:20 航空管制通信利用による海大陸における稠密気象データ取得の試み
森修一(JAMSTEC)・橋本大志(極地研)・虫明一彦(いろはプロジェクト)・Reni Sulistyowati (BPPT, Indonesia)
14:20–14:40 MUレーダー外付け受信専用アンテナを用いたアダプティブクラッター抑圧システムの開発
矢吹諒・橋口浩之・寺田一生・山本衛 (京大RISH)
14:40–15:00 複数のGNSSを活用する電離圏全電子数観測システムの開発とその性能
河上晃治(京大RISH)・齋藤享(電子航法研)・山本衛(京大RISH)
15:00–15:20 MUレーダーによる電子密度の長期統計解析と信楽イオノゾンデ自動読み取りシステムの開発
増田秀人・横山竜宏・山本衛(京大RISH)
(座長: 横山竜宏)
15:30–15:50 インドネシアにおけるプラズマバブルとドリフト速度のGPS観測
大塚雄一(名大ISEE)・Prayitno Abadi (LAPAN)・Kornyanat Hozumi (NICT)
15:50–16:10 地上多点ネットワークに基づく超高層大気変動の緯度間結合の観測的研究計画
塩川和夫・大塚雄一・西谷望・能勢正仁・野澤悟徳・大山伸一郎(名大ISEE)・吉川顕正(九大ICSWSE)・藤本晶子(九工大)・横山竜宏・山本衛(京大RISH)
16:10–16:30 GEONET ROTIを用いたEs層の構造・特性の解析
斎藤享(電子航法研)・細川敬祐・坂井純・冨澤一郎(電通大)
16:30–16:50 フィリピン・メトロマニラにおけるプレモンスーン期の強雨出現の特徴
浜田純一(都立大)・久保田尚之(北大)・松本淳(都立大)・佐藤光輝・高橋幸弘(北大)・Glenn Vincent (フィリピンASTI)
16:50–17:10 南極昭和基地大型大気レーダーを用いた気象再解析データ中の大気重力波再現性の検証
吉田理人(総研大)・冨川喜弘・江尻省(極地研)・高麗正史・佐藤薫(東大理)
17:10–17:30 EAR建設構想の初心に還る:地球の鼓動を聴く
山中大学(地球研)

9月10日

(座長: Hubert Luce)
10:00–10:20 SEALION Project Overview: Toward the Development of Plasma Bubble Alert System
Kornyanat Hozumi・Septi Perwitasari・Shinichi Hama・Kenji Nakayama・Michi Nishioka・Takahiro Naoi・Takuya Tsugawa (NICT)・Pornchai Supnithi・Napat Tongkasem・Phimmasone Thammavongsy (KMITL, Thailand)・Punyawi Jamjareegulgarn (KMITL PCC, Thailand)・Susumu Saito (ENRI)・Yuchi Otsuka (ISEE, Nagoya Univ.)
10:20–10:40 Development of an Autonomous Equatorial Spread-F Detection Method for SEALION Plasma Bubble Alert System
Septi Perwitasari・Kornyanat Hozumi (NICT)
10:40–11:00 New ionospheric 3D tomography analysis with combined GEONET and ionosonde data
Nicholas Ssessanga (RISH, Kyoto Univ.)・Susumu Saito (ENRI)・Mamoru Yamamoto (RISH, Kyoto Univ.)
11:00–11:20 3-D imaging of daytime mid-latitude sporadic E over Japan with ground-based GNSS data
Weizheng Fu, Nicholas Ssessanga, Tatsuhiro Yokoyama, Mamoru Yamamoto (RISH, Kyoto Univ.)
11:20–11:40 Wavelet Coherence Analysis of Cumulus Cloud and Local Thermal in the Boundary Layer Using Multiple Instruments
Ginaldi Ari Nugroho (Graduate School of Engineering, Kyoto Univ.)・Kosei Yamaguchi・Eiichi Nakakita (DPRI, Kyoto Univ.)・Masayuki K. Yamamoto・Seiji Kawamura・Hironori Iwai (NICT)
11:40–12:00 TKE dissipation rate estimated from MU radar, LQ7 wind profiler, UAV and balloon data: statistics and case studies from ShUREX campaigns
Hubert Luce・Hiroyuki Hashiguchi (RISH, Kyoto Univ.)・Laskhmi Kantha・Abhiram Dodd・Dale Lawrence (Univ. of Colorado Boulder, USA)・Masanori Yabuki (RISH, Kyoto Univ.)
(座長: 西村耕司)
13:00–13:20 衛星回線における降雨減衰量と雨域移動速度の関係
前川泰之・柴垣佳明(大阪電通大)
13:20–13:40 赤道大気レーダー観測に基づいた西スマトラ山岳域の対流活動と下層風との関係について
柴垣佳明(大阪電気大)・橋口浩之(京大RISH)・下舞豊志(島根大)・山中大学(地球研)
13:40–14:00 インドネシアにおけるライダーを用いた煙霧観測手法の検討
柴田泰邦・Isam Ebisawa KUSWAN・阿保真(都立大)
14:00–14:20 衛星ビーコン観測によるスポラディックEs層の構造の研究
高橋透・斎藤享(電子航法研)
14:20–14:40 赤道プラズマバブルに繋がりうる電離圏の長波長変動の観測
寺田一生・山本衛(京大RISH)
14:40–15:00 観測ロケット搭載用の2周波ビーコン送信機とアンテナの開発
山本衛・黒川浩規(京大RISH)
(座長: 橋口浩之)
15:10–15:30 スマトラ東部沿岸地域におけるXバンド気象レーダー観測 —降雨日周期の統計的分析—
小川まり子(京大東南研)・山中大学(地球研)・Awaluddin・Arief Darmawan・Reni Sulistyowati (BPPT, Indonesia)・Albertus Sulaiman (LIPI, Indonesia)・甲山治(地球研・京大東南研)
15:30–15:50 高知市における雨滴粒度分布の特徴及びウインドプロファイラとの比較
中陽(高知大院)・村田文絵(高知大理工)
15:50–16:10 コトタバンにおけるGPM/DPRと地上観測の降水強度比較
丸本将大・下舞豊志(島根大自然科学)
16:10–16:30 MUレーダーを用いたDDMA-MIMO観測実験
松田知也・越田雅大・橋口浩之(京大RISH)
16:30–16:50 赤道大気レーダーで観測されたプラズマバブルと150 kmエコーの長期統計解析
横山竜宏(京大RISH)・杉野創(京大情報)・高木理絵子・劉鵬・山本衛(京大RISH)

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2021年6月30日作成,2021年9月21日更新

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