Research Institute for Sustainable Humanosphere

第379回生存圏シンポジウム
第12回MUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウム

開催日時 2018(平成30)年9月5日(水)14:00~6日(木)16:40
開催場所 京都大学宇治キャンパス総合研究実験1号棟5階 HW525
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 橋口浩之 (京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信。

Webサイト: http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ear/sympo.html

概要

本研究集会では、MUレーダー・赤道大気レーダー共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論された。26件の発表が全て口頭発表で行われ、活発な議論が展開された。プロシーディング集を印刷・刊行し、発表内容を記録に残した。

目的と具体的な内容

MUレーダーは滋賀県甲賀市信楽町に位置する中層・超高層及び下層大気観測用VHF帯大型レーダーで、1984年の完成後すぐから全国国際共同利用に供されてきた。2003年度に「MUレーダー観測強化システム」が導入され、レーダーイメージング観測などの機能向上が図られている。MUレーダーは、アクティブ・フェーズドアレイシステムを用いた世界初の大規模大気レーダーとして、大気科学やレーダー技術の発展に貢献したことが評価され電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会であるIEEEより、IEEEマイルストーンに認定された。また、国内の電子情報通信学会マイルストーン、電気学会「でんきの礎」にも認定された。一方、インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー(EAR)は、2000年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、2005年10月からEARとその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論することを目的とする。

従来MUレーダーシンポジウム、赤道大気レーダーシンポジウムとして別々に研究集会を開催してきたが、両レーダーの連携した共同利用研究を一層促進するために、2012年6月に両共同利用委員会を統合したことを受けて、2012年度よりMUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウムとして開催している。本シンポジウムでは、26件の発表が全て口頭発表で行われ、1件当り20分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集を印刷・刊行した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる5つのミッションのうち、主としてミッション1「環境診断・循環機能制御」に、一部ミッション3「宇宙生存環境」およびミッション5「高品位生存圏」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア航空宇宙庁(LAPAN)との協力のもとで運営している。また、信楽MU観測所では国内の大気環境計測の重要地点として、MUレーダーを中心として様々な測器の開発、観測実験が実施されている。本シンポジウムでは、MUレーダー・赤道大気レーダーを中心として中緯度・赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。

プログラム

9月5日

(座長: 橋口浩之)
14:00–14:10 MUレーダー・赤道大気レーダー全国国際共同利用の現状
山本衛・橋口浩之(京大RISH)
14:10–14:30 赤道ライダーにより観測された赤道ケルビン波に伴う下降流による成層圏エアロゾルの鉛直輸送
阿保真・柴田泰邦・長澤親生(首都大)
14:30–14:50 航空機監視レーダ(SSRモードS)から得られる気象観測情報の信頼性検証と活用
吉原貴之・瀬之口敦・毛塚敦・齋藤享・古賀禎(ENRI)・古本淳一(京大RISH)
14:50–15:10 パラメトリックスピーカーを用いた低騒音型RASS用音源の開発
六車光貴・橋口浩之(京大RISH)
15:10–15:30 MUレーダーを用いたスペースデブリの3次元形状推定に関する研究
上埜拓仁(京大RISH)・山川宏(JAXA)・橋口浩之・山本衛(京大RISH)
15:30–15:50 MUレーダーを用いた観測による未知スペースデブリの軌道推定手法に関する研究
鳥居拓哉(京大RISH)・山川宏(JAXA)・橋口浩之・山本衛(京大RISH)・佐藤亨(京大情報)
(座長: 下舞豊志)
16:10–16:30 Ku帯衛星回線の台風接近時における降雨減衰特性
前川泰之・山田修稔・柴垣佳明(大阪電通大)
16:30–16:50 Latest progresses in ShUREX (Shigaraki UAV Radar Experiment 2015-2017) data analyses
H. Luce (Toulon大, 仏/京大RISH)・H. Hashiguchi (京大RISH)・L. Kantha・D. Lawrence (Colorado大, 米)
16:50–17:10 Variation of Turbulence Kinetic Energy in the Tropical Tropopause Layer from Long-term Observation of Equatorial Atmosphere Radar
Noersomadi (京大RISH/LAPAN, Indonesia)・Hiroyuki Hashiguchi (京大RISH)
17:10–17:30 Retrieval of Temperature Profiles using Radio Acoustic Sounding System (RASS) with the Equatorial Atmosphere Radar (EAR) in West Sumatra, Indonesia
Ina Juaeni (LAPAN, Indonesia)・Hiraku Tabata (京大RISH)・Noersomadi (京大RISH/LAPAN, Indonesia), Halimurrahman (LAPAN, Indonesia)・Hiroyuki Hashiguchi・Tsuda Toshitaka (京大RISH)
17:30–17:50 インドネシア西部海大陸域における雷活動の日変化及び季節内変化 —Pre-YMC2015観測結果—
浜田純一(首都大)・森修一・勝俣昌己(JAMSTEC)・松本淳(首都大)・Fadli Syamsudin(BPPT, Indonesia)・米山邦夫(JAMSTEC)

9月6日

(座長: 浜田純一)
10:00–10:20 Pre-YMC 2015およびYMC-Sumatra 2017で観られたスマトラ南西沿岸陸域の対流活動の特徴
森修一・伍培明・城岡竜一・横井覚・米山邦夫(JAMSTEC)・濱田純一(首都大)・Urip Haryoko・Noer Nurhayati (BMKG, Indonesia)・Reni Sulistyowati・Fadli Syamsudin (BPPT, Indonesia)
10:20–10:40 コトタバンにおける水蒸気・オゾン・雲変動(2018年7月集中観測)
鈴木順子・木下武也・城岡竜一(JAMSTEC)・橋口浩之(京大RISH)・阿保真・柴田泰邦(首都大)・Halimurrahman・Syafrijon(LAPAN, Indonesia)
10:40–11:00 全天カメラの2地点観測による波状雲の高度推定及びパラメータの抽出
森脇亮介・下舞豊志(島根大)
11:00–11:20 EAR観測から推定された上空における雨滴粒径分布の高度変化
多田暁智・下舞豊志(島根大)
11:20–11:40 豪雨発生予測への大気レーダー応用可能性:日本およびインドネシアの場合
山中大学(地球研)
(座長: 横山竜宏)
13:00–13:20 南極昭和基地大型大気レーダーによる電離圏観測
橋本大志(京大情報)・齊藤昭則(京大理)・西村耕司(極地研)・堤雅基(極地研)・佐藤薫(東大理)・佐藤亨(京大情報)
13:20–13:40 Results of joint ionospheric measurements with Kharkiv incoherent scatter and MU radars during near-equinox and solstice periods
Sergii Panasenko・Dmytro V. Kotov・Oleksandr V. Bogomaz (Institute of Ionosphere, Ukraine)・Yuichi Otsuka (名大ISEE), Mamoru Yamamoto・Hiroyuki Hashiguchi (京大RISH)・Leonid Ya. Emelyanov・Igor F. Domnin (Institute of Ionosphere, Ukraine)
13:40–14:00 The role of the evening eastward electric field and gravity wave activity on the sequential occurrence of plasma bubble
Prayitno Abadi・Yuichi Otsuka・Kazuo Shiokawa (名大ISEE)・Huixin Liu (九大)・Mamoru Yamamoto (京大RISH)・Tatsuhiro Yokoyama (NICT)
14:00–14:20 A periodic wave-like structure observed at low latitude ionosphere over Asian-Australian sector using total electron content obtained from Beidou geostationary satellites
Fuqing Huang (名大ISEE, CAS Key Laboratory of Geospace Environment, China)・Yuichi Otsuka (名大ISEE)・Jiuhou Lei (CAS Key Laboratory of Geospace Environment, China)
14:20–14:40 成層圏突然昇温の伝搬性電離圏擾乱への影響
大塚雄一・新堀淳樹(名大ISEE)・津川卓也・西岡未知(NICT)
(座長: 大塚雄一)
15:00–15:20 電離圏3次元リアルタイムトモグラフィーのMUレーダーによる検証
斎藤享(電子航法研)・山本衛(京大RISH)・斉藤昭則(京大理)・C.-H. Chen (台湾国立成功大)
15:20–15:40 アジア域の電離圏赤道異常の日変化・季節変化の研究 —衛星ビーコン長期観測—
坂本悠記・山本衛(京大RISH)・Kornyanat Hozumi (NICT)
15:40–16:00 二重薄殻モデル(粗トモグラフィー)を用いたGNSSデータからの赤道域電離圏全電子数の高精度導出と電離圏ダイナミクス解釈の試み
丸山隆・穂積 Kornyanat (NICT)・馬冠一(中国科学院)
16:00–16:20 熱圏鉛直風によるプラズマバブルシーディング
横山竜宏(NICT)
16:20–16:40 新しい衛星=地上ビーコン観測用の4周波ディジタル受信機の開発―機器構成と試験結果―
山本衛(京大RISH)・松永真由美(東京工科大)

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2018年6月29日作成,2018年10月1日更新

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