Research Institute for Sustainable Humanosphere

第260回生存圏シンポジウム
第8回MUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウム

開催日時 2014/09/16(火) 13:30–18:00 - 2014/09/17(水) 9:00–17:05
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 橋口浩之 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信。

http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ear/sympo.html

目的と具体的な内容

MU レーダーは滋賀県甲賀市信楽町に位置する中層・超高層及び下層大気観測用 VHF 帯大型レーダーで、1984 年の完成後すぐから全国国際共同利用に供されてきた。2003 年度に「MU レーダー観測強化システム」が導入され、レーダーイメージング観測などの機能向上が図られている。一方、インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー(EAR)は、2000 年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、2005 年 10 月から EAR とその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論することを目的とする。

2011 年度まで MU レーダーシンポジウム、赤道大気レーダーシンポジウムとして別々に研究集会を開催してきたが、両レーダーの連携した共同利用研究を一層促進するために、2012 年 6 月に両共同利用委員会を統合したことを受けて、前々回より MU レーダー・赤道大気レーダーシンポジウムとして開催している。本シンポジウムでは、33 件の発表が全て口頭発表で行われ、1 件当り 20 分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集を印刷・刊行した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる 4 つのミッションのうち、主としてミッション 1 「環境計測・地球再生」に、一部ミッション 3 「宇宙環境・利用」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア航空宇宙庁(LAPAN)との協力のもとで運営している。また、信楽 MU 観測所では国内の大気環境計測の重要地点として、MU レーダーを中心として様々な測器の開発、観測実験が実施されている。本シンポジウムでは、MU レーダー・赤道大気レーダーを中心として中緯度・赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。2 日目午前には深尾昌一郎先生記念「レーダー大気科学の展開」と題する特別セッションが開催され、今年で完成から 30 周年を迎える MU レーダーの研究成果のレビュー、その成果を背景とした赤道大気研究等への発展について紹介された。

プログラム

9月16日

   (座長: 橋口浩之)
13:30–13:40 あいさつ
MUレーダー/赤道大気レーダー全国国際共同利用専門委員長 山本衛
13:40–14:00 MUレーダー上空で急発達した積雲対流の微細構造
柴垣佳明・久保達哉 (大阪電通大)・橋口浩之 (京大RISH)・H. Luce (Toulon大, 仏)・山中大学 (JAMSTEC)
14:00–14:20 Convective instabilities underneath mid-level clouds. Part I: Results of MUR observations
H. Luce (Toulon-Var大, 仏/京大RISH)・ A. Kudo (気象庁)・H. Hashiguchi (京大RISH)・R. Wilson (LATMOS, CNRS, 仏)
14:20–14:40 Convective instabilities underneath mid-level clouds. Part II: Results of simulations and comparisons with MUR observations
A. Kudo (気象庁)・H. Luce (Toulon-Var 大, 仏/京大RISH)・H. Hashiguchi (京大RISH)・R. Wilson (LATMOS, CNRS, 仏)
14:40–15:00 Measurement of vertical wind in preciptation by the MU radar: A case study
Tong Gan・M.K. Yamamoto・H. Hashiguchi (京大RISH)・H. Okamoto (九大応力研)・M. Yamamoto (京大RISH)
15:00–15:20 リモートセンシングおよび直接計測を組み合わせた大気微量物質の観測
矢吹正教・高橋けんし・Yutong Liu・吉川賢一・上杉拓麿・津田敏隆 (京大RISH)・林泰一 (京大防災研)
15:20–15:40 2基の隣接した1.3GHzウィンドプロファイラレーダーを用いた豪雨発生に関連する下部対流圏の水平風収束の観測
中城智之 (福井工大)・山本真之・橋口浩之 (京大RISH)
 
   (座長: 齊藤明則)
16:00–16:20 赤道大気レーダーによるF領域沿磁力線不規則構造の観測
大塚雄一・Tam Dao・塩川和夫 (名大STE)・山本衛 (京大RISH)
16:20–16:40 Characteristics of the equatorial spread-F over Indonesia measured by EAR, ionosondes, and GPS scintillation receivers
Dyah Martiningrum・M. Yamamoto (京大RISH)・Prayitno Abadi (LAPAN, インドネシア)
16:40–17:00 EARサイトで観測されたGPS電離圏シンチレーションの11.5年間の出現特性
小川忠彦 (NICT)・大塚雄一 (名大STE)
17:00–17:20 SEALIONイオノゾンデによる赤道電離圏高度の変動:ionospheric ceiling
丸山隆・上本純平・石井守・津川卓也 (NICT)・P. Supnithi (KMITL, タイ)・T. Komolmis (チェンマイ大, タイ)
17:20–17:40 Beacon experiment of ionospheric irregularities in Thailand-Indonesia sector
Kornyanat Watthanasangmechai・ M. Yamamoto (京大RISH)・A. Saito (京大理)・R. Tsunoda (SRI International, 米)・T. Maruyama・T. Yokoyama (NICT)
17:40–18:00 ISS-IMAPによる超高層大気撮像と地上観測装置の同時観測
齊藤昭則・秋谷祐亮・穂積裕太・幸野淑子 (京大理)・坂野井健 (東北大理)・山崎敦 (JAXA・ISAS)・大塚雄一 (名大STE)

 

9月17日

  深尾昌一郎先生記念特別セッション「レーダー大気科学の展開」 (1)
(座長: 山本衛)
09:00–09:20 MUレーダー観測で明らかになった中緯度対流システムの階層構造
柴垣佳明 (大阪電通大)
09:20–09:40 中層大気における内部重力波の実態とその役割
田中浩 (名大名誉教授)
09:40–10:00 MUレーダー観測による中緯度電離圏の研究
大塚雄一 (名大STE)・山本衛 (京大RISH)
10:00–10:20 A short review on radar imaging with the MU radar
H. Luce (Toulon-Var大, 仏/京大RISH)
10:20–10:40 レーダーによる宇宙線観測
池田大輔・寺澤敏夫 (東大宇宙線研)
 
  深尾昌一郎先生記念特別セッション「レーダー大気科学の展開」 (2)
(座長: 橋口浩之)
10:55–11:15 1.3GHz帯ウィンドプロファイラーの開発とその社会応用
橋口浩之 (京大RISH)
11:15–11:35 「レーダー大気物理学」研究室における理工学融合
山中大学 (JAMSTEC/神大理)
11:35–11:55 赤道大気上下結合
山本衛 (京大RISH)
11:55–12:15 赤道ライダーによるTTL領域のオゾンとエアロゾル輸送過程の観測
阿保真・柴田泰邦・長澤親生 (首都大)
12:15–12:35 赤道MUレーダー計画
津田敏隆 (京大RISH)
   (座長: 下舞豊志)
13:30–13:50 アダプティブアンテナ信号処理による流星エコーの抑圧
橋本大志 (京大情報)・西村耕司・堤雅基 (極地研)・佐藤亨 (京大情報)・佐藤薫 (東大理)
13:50–14:10 大気レーダーの多機能化に向けたデジタル受信機の開発
山本真之・GAN Tong (京大RISH)・川村誠治 (NICT)・橋口浩之 (京大RISH)・中城智之 (福井工大)・岡谷良和・山本衛 (京大RISH)
14:10–14:30 信楽MUレーダーを用いたスペースデブリの形状推定に関する研究
河原淳人・山川宏・山本衛・橋口浩之 (京大RISH)・佐藤亨 (京大情報)・増成一樹 (京大RISH)
14:30–14:50 IUGONETデータ解析システムを用いた太陽地球結合系の長期変動研究
新堀淳樹 (京大RISH)・八木学 (東北大PPARC)・田中良昌 (極地研)・谷田貝亜紀代・梅村宜生 (名大STE)・上野悟 (京大天文台)・小山幸伸 (京大地磁気センター)・阿部修司 (九大ICSWSE)・IUGONETプロジェクトチーム
14:50–15:10 南極大型大気レーダーで観測された冬季中間圏エコーの変動特性
西山尚典・中村卓司 (極地研)・佐藤薫 (東大理)・堤雅基 (極地研)・佐藤亨 (京大情報)・西村耕司 (極地研)・高麗正史 (東大理)・冨川喜弘・江尻省・津田卓雄 (極地研)
   (座長: 荻野慎也)
15:25–15:45 赤道域半年周期振動の年々変動と経度依存性について
大羽田剛史・廣岡俊彦 (九大院理)・江口菜穂 (九大応力研)
15:45–16:05 ベトナム・ハノイのプレモンスーン期下部対流圏に現れるオゾン増大
荻野慎也 (JAMSTEC・神大)・藤原正智 (北大)・野津雅人 (極地研・JAMSTEC)・塩谷雅人 (京大RISH)・長谷部文雄 (北大)・松本淳 (JAMSTEC・首都大)
16:05–16:25 Rainfall-driven diurnal cycle of Ciliwung River: Overview and future prospects
Reni Sulistyowati (神大/BPPT, インドネシア)・Ratih Indri Hapsari (State Polytechnic of Malang, インドネシア)・S. Mori (JAMSTEC)・Fadli Syamsudin (BPPT)・S. T. Oishi (神大)・M. D. Yamanaka (神大/JAMSTEC)
16:25–16:45 赤道域におけるKu帯衛星回線の降雨減衰継続時間と降水雲分布の関係について
前川泰之・竹本圭吾・田間章宏・柴垣佳明 (大阪電通大)
16:45–17:05 EARおよびBLR観測から推定した雨滴粒径分布鉛直プロファイルに基づく対流活動不活発時における降雨の特徴
下舞豊志・古津年章 (島根大)・藤原亮 (王子製紙)・橋口浩之 (京大RISH)

 

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