研究課題
代謝工学と化学工学の連携によるリグニンの高付加価値利用の促進
研究組織
| 代表者 | 飛松 裕基 (京都大学生存圏研究所) |
|---|---|
| 共同研究者 | Pingping JI (京都大学生存圏研究所) Bing XIE (京都大学大学院農学研究科) Kai NIE (徳洲学院、生物繊維及び環境調和型繊維開発国家重点研究室) |
| 関連ミッション |
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研究概要
木質バイオマスの主要成分であるリグニンは、地球上で最も多量に存在する芳香族化合物であり、化石資源に代わってプラスティックや燃料等に変換可能な芳香族系化成品の原料としての利用が期待されている。しかし、多種多様なサブストラクチャーから構成される複雑なリグニンの分子構造が、バイオマスからのリグニンの単離や、有用芳香族化成品への変換を妨げる重要なボトルネックとなっている。申請代表者ら(飛松・Ji)は、モデル植物におけるリグニン生合成代謝経路の解析を進め、代謝工学によって複雑多様なリグニンの芳香核構造を特定の芳香核ユニットに単純化した様々なリグニン改変植物の作出に成功している。一方、共同研究者ら(Xie・Nie)と協働して、電解メディエーター(EMS)酸化反応や深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvents; DES)を用いた新規なバイオマスの成分分離法や分解反応系の開発研究も進めてきた。本研究では、これらの知見を統合し、代謝工学によりリグニン芳香核組成を単純化した一連のリグニン改変植物を基質として、種々のバイオマス成分分離・分解反応を適用し、単純化されたリグニンの芳香核組成及び各芳香核ユニットの反応性に適合したバイオマス変換反応を選択し、バイオマス変換効率、特にリグニン成分の分離と芳香族化成品への変換効率の相乗的向上を図る(図1)。本研究で得られた知見は、生存圏科学が目指す木質バイオリファイナリー技術を通じた持続可能社会の実現に寄与すると期待される。
図1. 代謝工学によるリグニンの構造改変とそれによるバイオマス分解利用の促進
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2025年8月29日作成


