研究課題
深共晶溶媒を用いた靭皮繊維のリグノセルロース成分分離と構造解析
研究組織
代表者 | 飛松 裕基 (京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | Kai NIE(東華大学 生物多糖繊維及び環境調和型繊維開発国家重点研究室 及び 京都大学 生存圏研究所) Wei JIANG(青島大学 生物多糖繊維及び環境調和型繊維開発国家重点研究室) Guangting HAN(東華大学及び青島大学 生物多糖繊維及び環境調和型繊維開発国家重点研究室) |
関連ミッション |
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研究概要
ケナフ、ラミー、ヘンプなどの繊維作物が生産する靭皮繊維(麻)は古来より様々なセルロース系繊維素材として利用されてきたが、近年、持続型社会構築に資するリグノセルロース資源として、これまでほぼ未活用のリグニン成分の高度利用を含め、更なる有効利用が期待されている。靭皮繊維から繊維素材として利用価値の高いセルロース繊維を単離するためには、環境負荷の大きい化学処理や機械処理によりリグニンを除去する必要がある。本国際共同研究のパートナーである東華大学及び青島大学の研究グループでは、安価かつ環境負荷の低いリグノセルロース溶剤として近年研究が進められている深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvents; DES)を用いた靭皮繊維のリグノセルロース成分分離システムの開発を進めてきた[1-4]。しかし、DES処理に伴うリグノセルロースの複雑な構造変化の解析が課題として残されている。本研究では、靭皮繊維を温和かつ効率的にセルロース繊維画分とDES可溶化リグニン画分へと分離するDES処理条件を確立するとともに、分画物の精密構造解析を通じて、DES処理に伴うリグノセルロースの化学変性と成分分離挙動の詳細を明らかにする。
参考文献(本申請課題と関連する研究実績):[1] Song et al. Cellulose 26: 8047-8057 (2019); [2] Nie et al. Biomass Conversion and Biorefinery (2022) https://doi.org/10.1007/s13399- 022-03496-9; [3] Nie et al. Industrial Crops and Products 191: 115990 (2023); [4] Nieら、第74回日本木材学会大会、2024年3月.
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2024年8月1日作成