研究課題
高沸点溶媒を用いたバイオマスリファイナリーにおけるリグニンの反応機構
研究組織
代表者 | 岸本 崇生 (京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 西村 裕志 (京都大学生存圏研究所) Qu Chen (東北大学高等材料科学研究所) |
関連ミッション |
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研究概要
1,4-ブタンジオールなどの高沸点有機溶媒を用いたソルベントパルプ化(オルガノソルブパルプ化、木質バイオマスの成分分離法)では、広葉樹だけでなく針葉樹のパルプ化も可能であり、溶媒を繰り返し利用できることやリグニンの回収が容易であることなど、様々な特徴がある。また、アルカリパルプ化と比べリグニンの変性が比較的少ないため、セルロースだけでなくリグニンの利用にも適したバイオマス成分分離法といえる。また、高沸点有機溶媒を用いたパルプ化で得られる低分子リグニンには、抗HIVウイルス活性があることもこれまでに報告している。本研究では、バイオマス成分の分離過程にともなう、リグニンの構造変化やその反応機構を明らかにする。リグニンの主要構造であるβ-O-4構造を持つリグニンモデル化合物を高沸点溶媒パルプ化の条件で反応させ、リグニンの芳香核の違いが、反応生成物や、反応速度、活性化エネルギー、反応機構などに与える影響を明らかにする。本研究のテーマは、木質バイオマスの成分分離とリグニンの有用物質への変換による脱化石資源を通じた循環型社会の構築を目指すものであり、生存圏科学と密接に結びついている。
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2024年8月6日作成