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2024(令和6) 年度 生存圏科学 共同研究 4

更新日: 2024/08/30

研究課題

ウルトラファインバブルの植物体内における挙動および機能に関する研究

研究組織

 代表者 伊藤 彩菜 (京都大学大学院農学研究科)
 共同研究者 上田 義勝 (京都大学生存圏研究所)
神田 亜以子 (京都大学農学研究科)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御
  • ミッション3 宇宙生存環境

研究概要

ウルトラファインバブル(以下、UFBと表記)は国際標準化機構ISO 20480-1にて定義されており、直径1マイクロメートル未満の極小の気泡のことを指す。UFBは大気を用いて生成が可能で、水中に長期間存在できるなどの特性から、さまざまな産業で活用が進んでいる。農業分野においては、UFBを含んだ水で農作物を栽培することで生育が促進されるという報告が多数あり、環境負荷をかけずに収量を増加させる画期的な技術として注目を集めている。しかし、UFBが植物の根からどの程度吸収され、植物体内のどこまで運ばれ、どのようにして生育を促進しているかは解明されていない。したがって本研究の目的は、植物体内のUFBの挙動と生育促進のメカニズムを明らかにすることである。

本研究では、UFBを添加した養液で栽培した植物の道管液を採取し、道管液内に含まれる不純物の影響を排除したUFB数密度を計測することで、植物体内におけるUFB数の分布や動態を評価する。また、植物体から採取できる道管液量や道管液中の成分を分析することで、UFBが植物の生育に及ぼす影響のメカニズムについて考察する。なお、添加するUFB以外の外部環境要因の影響を排除するため、供試植物は人工気象室内で栽培する(下図参照)。

植物体内のUFBの挙動や生育促進のメカニズムが解明されることにより、農作物への最適な施用条件が明らかとなる。UFBの農作物への適切な施用は、生育促進だけでなく化学肥料や農薬の使用の低減に繋がる。したがって本研究は、将来的な資源枯渇や食料危機を見据えた、持続可能な食料生産システムの構築に寄与するものである。

補足テキスト: 2024(令和6)年度生存圏ミッション研究#04
図. 実験の様子
(左:人工気象室での植物栽培、中央:道管液の採取、右:UFB数密度の解析)

 

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2024年7月23日作成

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