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2023(令和5) 年度 生存圏科学 共同研究 0

更新日: 2023/08/24

研究課題

微細気泡の精密計測による基礎特性の解明

研究組織

 代表者 上田 義勝 (京都大学 生存圏研究所)
 共同研究者 今井 友也 (京都大学 生存圏研究所)
三谷 友彦 (京都大学 生存圏研究所)
徳田 陽明 (滋賀大学 教育学部)
谷垣 実 (京都大学 複合原子力科学研究所)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御
  • ミッション3 宇宙生存環境

研究概要

サブミクロンスケールの微細気泡については、環境・農業などの応用研究利用が進みつつある。気泡安定性や特性については仮説がいくつかあるが、文献により計測結果に違いがある他、絶対値としての計測評価が未だ行えていない。我々は気泡の内圧計測に成功しているが、数密度分布が精密に行えていないため、帯電と内圧との相関について、議論が続いている状況である。昨年度の生存圏科学共同研究において、気泡水の誘電率計測や、計算機を用いた第一原理計算なども行ってきており、その安定性の仮説について徐々にデータを蓄積しつつある。今年度においては、新たな先端計測手法として小角X線散乱(SAXS)と、凍結レプリカによる気泡の直接計測などを行い、精密な計測データを集めることで、気泡の安定性などの基礎特性を統合的に解明することを目的とする。

研究課題は以下の通り

・気泡の有無による水の誘電率の計測
気泡の有無による水の誘電率を計測してきた。気泡の数密度が小さいこともあり、全体としての誘電率の変化は小さかった。ただし、気泡生成中の誘電率に大きな変化が見られたことと、二酸化炭素を用いた気泡水の変化に違いがみられる可能性があり、継続してデータを集める。

・第一原理計算による水分子の状態の評価
滋賀大学の計算機サーバを用い、第一原理計算による水分子との気液界面の状態計算を行う。特に帯電の短期安定性に着目し、その計算手法を開発する。

・小角X線散乱(SAXS)と凍結レプリカ計測による気泡分布と気泡周辺状態の実測
気泡の数密度分布を精密計測するため、SPring-8でのSAXS計測を行い、分布についての計測と、レーザー散乱や共振式質量分析法による分布計測結果との違いを確認する。また、生存圏研究所所有の電子顕微鏡を用い、凍結レプリカなどを駆使して気泡周辺の状態を精密計測する

・111Inを用いた気泡周辺の水和イオン状態の計測
微細気泡水中で水和イオンを形成する111Inのスピン運動を計測する。これまでに、pH=10の111Inのスピン緩和と、純水中のスピン緩和との間に明確な違いが観察されている。これは、気泡の表面電荷が水和イオンの構造に影響を与えることを示しており、今後は他の計測結果との比較を行う。

補足テキスト: 2023(令和5)年度生存圏ミッション研究 図

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2023年8月24日作成

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