研究課題
木質材料創製のための前処理としての木材褐色腐朽の可能性
研究組織
代表者 | 今井 友也 (京都大学 生存圏研究所) |
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共同研究者 | 田鶴 寿弥子 (京都大学 生存圏研究所) Shengcheng ZHAI (南京林業大学) Yu-na KAN (南京林業大学) |
関連ミッション |
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研究概要
石油資源の枯渇はいずれ起こるイベントであると考えると、現在石油ナフサを出発とする材料は全て別の資源を出発とする技術変革が必須となる。木質資源はその再生可能という性質から、現在の石油資源を代替できる大変魅力的で有望な資源であり、その利用をますます広める必要がある。建材や紙・パルプとして現在も利用されている成熟した技術・製品利用が今後も重要であることは疑いないが、一方で、木質資源の使い方をより一層広めていくためには、今までとは全く異なる設計思想による材料開発も重要である。
そこで本提案では、新規の木質資源の利用方法として、褐色腐朽菌を前処理に採用した木材の新規利用方法について検討を行う。木材腐朽菌の一種である褐色腐朽菌はセルロースを優先的に分解することが知られており、著しい化学成分の変化と構造の変化を伴う。本提案では、木質材料作製の前処理として褐色腐朽に着目する。
すでに共同研究者のZhai博士らは、褐色腐朽した木材残渣の液体化処理について研究を報告しているが(Zhai et al., 2023; https://doi.org/10.1016/j.indcrop.2022.115982)、物性の安定化のためには腐朽の程度を制御する必要がある。そこで褐色腐朽菌による木材の組織・細胞壁構造および化学成分変化を詳細に解明する。
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2023年8月25日作成