研究課題
ドローン搭載型小型分光放射計開発および汽水域の分光放射観測
研究組織
代表者 | 下舞豊志(島根大学大学院学術研究院理工学系) |
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共同研究者 | 米康充(島根大学大学院学術研究院農生命科学系) 橋口浩之(京都大学生存圏研究所) |
関連ミッション |
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研究概要
汽水域は海と川から影響を受けやすく、淡水、海水中の生物が共存する独自の環境を有している。この環境を広範囲にモニターするためにはリモートセンシングが有効だと考えられる。分光放射特性を用いた濁度推定法が実用化されているが、人工衛星を用いた方法では一日に一回、空間分解能が250 mと時空間分解能が不十分である。そこで、空間分解能、観測頻度を向上させるために、ドローンを用いた分光放射計観測を応用する計画である。昨年度、民生用の携帯型分光放射ユニットを自作回路で駆動し、制御、データ取得を行う小型・軽量型分光放射計の開発を行った。この小型分光放射計をドローンに搭載し、時空間変化の大きな汽水域表層の分光放射特性測定を上空から行い、汽水域表層の水質分布を広範囲にかつ短時間に得ることが本研究の目的である。試作段階の室内実験の様子を図1に、屋外の測定試験結果を図2に示す。
図1:試作中の小型分光放射計の実験の様子
図2:試作機による水面の反射率測定結果の例
本年度は、画像撮影用中型ドローンを購入し、試作した分光放射計を搭載して汽水域水面の反射率測定を行う。短時間に広範囲の分光反射特性測定が可能となる。実際の観測実施において、下記の検討を行う必要がある。
(1)小型分光放射計のドローンへの搭載方法
実際の搭載においては、装着方法のみならず、ドローン本体の各種センサーとの干渉を避ける配置を行う必要があり、実機を用いて調整が必要である。
(2)校正方法の検討
センサーが一台のため同時に標準反射板と比較して校正を行うことが出来ない。観測前後に標準反射板を用いた校正が必要である。
(3)移動速度・姿勢制御の検討
水面の動きの影響を軽減するための飛行速度、姿勢不安定に伴う観測結果の影響については、実測に基づいて調整が必要である。
以上について実際の観測を行いながら検討を行う計画である。
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2021年9月6日作成