研究課題
長期太陽黒点観測スケッチのデジタル画像データベースの構築
研究組織
代表者 | 浅井歩(京都大学理学研究科附属天文台) |
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共同研究者 | 海老原祐輔(京都大学生存圏研究所) 上野悟(京都大学理学研究科附属天文台) 鈴木美好(元三重県津高校) 西田圭佑(京都大学理学研究科附属天文台) 玉澤春史(京都大学文学研究科) 北井礼三郎(立命館大学) |
関連ミッション |
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研究概要
太陽黒点の出現は約11年で盛衰を繰り返す。また、黒点数に比例する太陽活動は、太陽からの紫外線放射量と同期しており、地球に照射するエネルギーを増減させることにつながる。ところが、この盛衰の根本原因は未だ解明されておらず、理論的・観測的研究を必要としている。太陽黒点の観測は、古くは1600年代のガリレオ・ガリレイのころまでさかのぼれるが、近年においても、小山ひさ子氏による「40年にわたる黒点スケッチ観測」が世界的に知られており、また、それを引き継いで、鈴木美好氏による60年にわたる黒点スケッチ観測が存在している。世界的な太陽黒点観測のとりまとめはベルギーのSILSO(Sunspot Index and Long-term Solar Observations)によって実施されているが、過去の太陽黒点数の再評価を行った際には、鈴木氏の観測整約の結果が寄与している。
本研究では、鈴木氏の観測のデジタル画像データベースを構築して、世界的研究ネットワークに原資料を提供することにある。鈴木氏は、自宅の10 cm口径屈折望遠鏡を用いて、太陽全面に出現した黒点のスケッチを60年間にわたって継続観測している。この均質な長期連続観測資料は、太陽活動・地球環境の長期変動を研究するための貴重な資料である。この資料をデジタル化してデータベースを構築し、世界に公開する。構築するデータベースは、生存圏研究所が主要機関参加しているIUGONETを介して公開する。これらは、地球環境を支配する太陽エネルギー研究の基礎資料となるデータベースの公開は価値が大きいと考える。
SILSO Webページ:https://wwwbis.sidc.be/silso/
1980年7月20日の鈴木美好氏によるスケッチ(左)と国立天文台三鷹での太陽白色光画像(右)
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2021年8月3日作成,2021年8月5日更新