Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2020(令和2) 年度 生存圏科学 ミッション研究 21

研究課題

シロアリを核とした森林土壌生態系におけるマイクロプラスチックの循環

研究組織

 代表者 吉村剛(京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 徳地直子(京都大学フィールド科学教育研究センター)
S. Khoirul Himmi (インドシア科学院生物材料研究センター)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

現在海洋環境に対する汚染が深刻な社会問題となりつつあるマイクロプラスチックは、森林土壌生態系へも徐々に蓄積しつつあると考えられるが、これまで詳細な研究例はない。一方、シロアリは熱帯の土壌生態系における物質循環に非常に重要な役割を有していることが知られており、土壌表面から内部へマイクロプラスチックを拡散している可能性が考えられる。図1にそのイメージを示す。

本研究では、日本とインドネシアにおいて野外調査および室内・野外実験を実施し、マイクロプラスチックの森林土壌生態系での循環に関して、シロアリの役割とそのメカニズムについて検討を行う。

吉村剛: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図 1図1 シロアリ-土壌生態系-マイクロプラスチックのイメージ

本課題は昨年度からの継続課題であり、これまでに得られた結果は以下の通りである。
①日本においてイエシロアリを用いた室内試験を実施し、シロアリによって土壌表面のマイクロプラスチックが土壌内部へと運搬されることを確かめた。
②同じくインドネシアにおいてゲストイエシロアリを用いた室内試験を実施し、シロアリによって土壌表面のマイクロプラスチックが土壌内部へと運搬されることを確かめた。運搬の程度は日本のイエシロアリよりも大きかった。
③日本とインドネシアにおいて海外からの距離の異なる森林の土壌サンプリングを行った。森林土壌からのマイクロプラスチックの分離・分析方法を確立するとともに、一部の試料については分析を実施した。その結果、日本において海岸から500m離れたマツ林の土壌からマイクロイプラスチックを回収した(図2)。
④インドネシアにおいて野外試験を開始した。

吉村剛: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図 2図2 海岸近くのマツ林土壌より回収されたマイクロプラスチックとそのFT-IR-ATRスペクトル(赤線がサンプル、黒線がポリスチレンの標準スペクトル)

今年度は下記の2点について検討を行う予定である。
①土壌試料の分析
昨年度確立した方法を用いて、森林土壌サンプルからのマイクロプラスチックの分離・分析を日本とインドネシアにおいて実施する。
②野外試験の観察
2020年2月にインドネシアにおいて開始した野外試験の観察を行うとともに、マイクロプラスチックの土壌中への移行について定量的な解析を実施する。

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2020年8月3日作成

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