Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2020(令和2) 年度 生存圏科学 ミッション研究 18

研究課題

夏季アジアモンスーン循環からの東方流出渦を狙った国内でのエアロゾル粒子観測

研究組織

 代表者 藤原正智(北海道大学大学院地球環境科学研究院)
 共同研究者 白石浩一(福岡大学理学部)
哲(気象庁気象研究所)
浩森(北海道大学大学院環境科学院)
PAN, Laura L. (National Center for Atmospheric Research, USA)
塩谷雅人(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御

研究概要

夏季アジアモンスーン循環(ASM循環)という大陸規模の高気圧性循環が、地球大気質の変質、ひいては気候変動に与える影響が世界的に注目されている。ASM循環は、チベット高原を中心とした領域の上部対流圏・下部成層圏領域に生じ、アジアから排出された大気汚染物質をグローバルに輸送する役割を果たしているが、この循環内の大気成分の直接測定は限られている。いっぽう、ASM循環から切り離された空気塊が東方へ流出する「東方流出渦イベント」が月3回程度の頻度で生じ、日本上空を通過していく。そこで、このイベントにおける空気塊中のエアロゾル粒子の特性を、福岡とつくばに設置されたライダーのデータで分析する。さらに、流跡線解析や、各種大気微量成分データの分析と組み合わせることで、アジアから排出された大気物質がASM循環を経由してグローバルに輸送されていく過程を定量化する。本研究の特色は、ASM循環からの東方流出渦に着目し、地の利を活かしたライダー観測データと他のデータを総合的に活用して分析する点にある。今年度は、2018年夏の事例の分析結果を論文化して投稿・出版し、2019年夏の事例を詳しく分析し、さらに夏季に観測を実施する。本研究は、アジア域から排出される大気汚染物質の輸送と変質の過程を測定し定量化する点で、生存圏科学の重要な要素のひとつに取り組むものである。

藤原正智: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図図1.2018年7~9月に、つくばの気象研究所のライダーで測定された、後方散乱比(上、単位:1)と粒子偏光解消度(下、単位:%)の時間高度断面図。対流圏下層中層に分厚い雲があり、レーザー光が上部対流圏以高に届いていないケースは欠測扱いとしてある(白い領域)。赤い点は、つくばの高層気象台での毎21時のラジオゾンデデータによる第一圏界面の位置である。特に、8~9月に、対流圏界面直上で、エアロゾル粒子の増大イベントが複数回とらえられている。なお、上部対流圏の強いシグナルは、巻雲によるものである。

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2020年8月3日作成

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