Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2020(令和2) 年度 生存圏科学 ミッション研究 7

研究課題

ドローン搭載型小型分光放射計開発および汽水域の分光放射観測

研究組織

 代表者 下舞豊志(島根大学学術研究院理工学系)
 共同研究者 暁(島根大学大学院自然科学研究科博士前期課程2年生)
橋口浩之(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御

研究概要

汽水域は海と川から影響を受けやすく、淡水、海水中の生物が共存する独自の環境を有している。この環境を広範囲にモニターするためにはリモートセンシングが有効だと考えられる。水環境の指標として最も基本とされる濁度については、ある程度推定法が確立されており、衛星リモートセンシングを用いた汽水域の濁度分布推定システムが本申請者によって開発され、継続公開されている。ただし原理上一日に一回、空間分解能が250mと、時間・空間変動の激しい汽水域内の現象をモニターするには不足している。図1に人工衛星搭載センサーMODISによる反射率観測結果をもとに推定した宍道湖表層の濁度分布の例を示す。

下舞豊志: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図 1図 1 人工衛星搭載センサーMODISによる反射率観測結果をもとに推定した宍道湖表層の濁度分布。2008年7月4日の推定例。

一方、国土交通省により宍道湖において水質のモニタリングが行われているが、宍道湖内に2か所であり、水質の空間変化を捉えることはできない。

ここで、光学的性質をもとに水域表層の水質を推定するためには、表層の分光放射特性を知る必要がある。これまで携帯型の分光放射計を用いて、宍道湖に流れ込む大橋川において分光放射特性測定を行ってきたが、宍道湖上の特性測定は困難である。そこで、ドローンを用いた分光放射計観測を応用する計画である。

下舞豊志: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図 2図 2. 大橋川において実測した分光放射特性測定例。

目標
製造業で使用されている分光放射計のセンサー部を加工することにより、ドローン搭載可能な小型分光放射計を開発し、汽水域の分光放射観測を行うことにより、水質環境モニタリングを行う。
ドローン搭載用小型分光放射計の開発
民生用の携帯型分光放射計を加工してドローン搭載可能な小型分光放射計を開発する。市販の携帯型分光放射計ユニットはそのままでは大きくドローン計測には不向きである。そこで、この分光放射計に使用されているセンサーユニットを入手し、制御回路、データ取得部を自作し、全体の制御は小型軽量ワンボードマイコンを使用することにより、全体としてドローン(DJI Inspire2)に搭載可能な小型軽量化を行う。並行してデータ取得プログラムの開発を行う。
地上における試験観測および校正
開発した小型分光放射計を用いて、手持ち型の携帯型分光放射計と同時に測定を行うことにより、装置の絶対校正を行う。さらには、汽水域沿岸にて試験観測を行う。
ドローンを用いた汽水域の分光放射特性観測および水質推定
開発した小型分光放射計をドローンに搭載して、半径200 m程度における汽水域の分光反射特性測定を行う。分光放射測定結果から濁度、クロロフィルaなどの水質パラメーターを推定する方法については、これまで人工衛星による観測結果に用いられてきた方法を適用して最適推定式を導出するとともに、湖岸において実施する水質観測結果と比較することにより、水質パラメーター推定精度の検証を行う。

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2020年9月8日作成

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