研究課題
マイクロ波衛星データによる鳥類生態系モニタリング
研究組織
代表者 | 小林祥子(玉川大学農学部) |
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共同研究者 | 大村善治(京都大学生存圏研究所) 藤田素子(京都大学東南アジア研究所) Bambang Supriadi (R&D, Musi Hutan Persada, Indonesia) |
関連ミッション |
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研究概要
東南アジア諸国においては、熱帯林の減少と劣化は非常に深刻である。その主な原因は、農地(パーム油・天然ゴム)や早生樹プランテーション(製紙原料)への転換である。生物多様性には森林構造の複雑さが非常に重要な要素であることから、リモートセンシングによる森林構造の広域的な把握が必要である。また、インドネシアに位置する本研究の対象地では、森林火災による天然林の劣化とサルによる樹皮剥ぎにより、アカシアからユーカリへの転換を余儀なくされた経緯があり、プランテーションを持続可能な形へシフトさせていくためにも、生態系の健全性の評価は不可欠である。
本研究では、インドネシア産業植林地内に残存する自然林と産業植林を対象に、衛星搭載のLバンドマイクロ波合成開口レーダを用いた“森林の階層構造”(図1)の評価手法を確立する。さらに、森林構造を説明するマイクロ波偏波パラメータと、森林構造に対応して生息する鳥類群集との関連を明らかにすることを目的とする。
衛星による鳥類多様性の空間的な推定が可能となるため、生物多様性への人為的撹乱の影響をマッピングできるようになり、熱帯林や生物多様性の保全価値に対する認識の促進が期待される。さらに、長期モニタリングを視野に入れ、プランテーションにおける生態系の健全性を生物多様性の観点から評価し、持続的なプランテーションの経営管理につなげるための基礎的な知見を提供する。
図1. Lバンドマイクロ波の透過
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2020年8月6日作成