研究課題
セルロース100%の耐水紙の開発
研究組織
代表者 | 阿部賢太郎(京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 山根千弘(神戸女子大学家政学部) |
関連ミッション |
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研究概要
植物資源のさらなる利活用を目的とし、耐水性を付与した紙の開発を目指す。紙の吸水性は用途によっては利点となるが、吸水によって強度が劇的に低下することが用途を制限していることもある。耐水紙の開発は行われているが、その方法は化学薬品の含浸や合成フィルム等との複合化などが主である。しかし、それらの紙の利点である生分解性や持続可能性を損なう結果となる。
本研究では持続可能性を維持しながら、紙の幅広い利用を実現すべく、セルロース100 %からなる耐水紙の開発を行う。本研究における耐水とは、吸水による強度低下を極力抑えることを意味する。方法としては、通常のパルプ紙にセルロースナノファイバーをバインダーとして加え、アルカリ処理によって耐水性の高いパルプ繊維間結合を実現させる。
樹木は再生産可能かつ持続可能な資源であり、それを原料とする紙もそれらに準ずることは言うまでもない。今回の研究は、特殊な化学薬品や合成樹脂を使用することなく、セルロースのみで紙の改質を行うことで、紙の環境的利点を損なうことなく、さらなる用途展開を目指すものである。
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2020年8月5日作成