研究課題
バングラデシュにおける気象レーダーを用いたプレモンスーン季のシビアストーム研究
研究組織
代表者 | 村田文絵(高知大学理工学部) |
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共同研究者 | 山根悠介(常葉大学教育学部) 橋口浩之(京都大学生存圏研究所) 成田知巳(湘南工科大学) 寺尾徹(香川大学教育学部) Md. Quamrul Hassam (バングラデシュ気象局) |
関連ミッション |
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研究概要
バングラデシュはモンスーン季の前の3–5月(プレモンスーン季と呼ばれる)にシビアストームが頻発する。この時期のシビアストームは現地語でこの季節の禍を意味するカルバイシャキ,或いは北西方向から嵐がくることが多いためnorwesterと言われ,しばしば落雷,降雹,竜巻等をもたらす。特にバングラデシュでは最近落雷による被害が注目を集めており,国が落雷は自然災害であるという宣言を行った。
バングラデシュ気象局は日本の援助で建設された気象レーダーを運用しており,サイクロンの監視と共に多くのシビアストームも観測しているが,これらのデータが研究に充分利用されていない。一方雷観測について,遠方まで届くVLF帯の電波を用いた全球の雷放電位置標定システム(WWLINやBlitzortung)が利用可能であり,アジア域でも装置の設置が進んで検出の精度が向上しつつある。そこで,本研究では気象レーダーと雷観測データを用いて,バングラデシュにおいて災害をもたらすシビアストームがどのような降水システムによって生じるのか明らかにすることを目的とする。
バングラデシュ気象局の保有する気象レーダーの内,観測データが多いCox’s BazarとKheppuparaのデータを主に用いて,Rafiuddin et al. (2010) が行った降水システムの分類を参考に,弧状型,線状型,分散型,広域型に分類し,それぞれの発生環境場の特徴を調査する。また,各降水システム発生時の地上観測データや雷位置データ,新聞によるシビアストームによる被害の文献調査等の結果を合わせて解析する。
2011年5月11日0630UTCにおいてバングラデシュ降雨レーダーで観測された弧状エコーと落雷位置の分布。
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2019年7月24日作成