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2018(平成30) 年度 生存圏科学 ミッション研究 13

更新日: 2018/07/20

研究課題

揮発性有機化合物の植物生長促進効果に着目した植物油生産への応用と分子メカニズムの解明

研究組織

 代表者 肥塚崇男(山口大学大学院創成科学研究科)
 共同研究者 松井健二(山口大学大学院創成科学研究科)
杉山暁史(京都大学生存圏研究所)
矢崎一史(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

生物が生成・放散する揮発性有機化合物(volatile organic compounds; VOC)は生存圏(特に土壌圏-森林圏-大気圏)の炭素循環に大きな影響を与えるだけでなく、生物間相互作用の重要なシグナル分子となっていることから重要視されている。本研究では、化石資源に依らない社会への貢献を目指し、バイオディーゼルや食用油の原料となる油糧作物へのVOCによる生長促進効果、特に生長速度と種子形成への影響を明らかにすると共に、その分子メカニズムの解明を目的とし、効率的な植物油生産に向けた植物バイオマス生産プラットフォームを構築する。

近年、植物や微生物由来のVOCが植物の生長促進や病害虫抵抗性の増加などの効果をもたらすことが報告されており、農業現場で実際に利用されつつある。しかし、VOCを介した植物への生長促進効果は経験則に基づくことが多く、その科学的な解明には未だ至っていない。特に、バイオ燃料源となる植物種(ナタネ、ヒマワリ、トウモロコシ、ダイズ、イネなど)に対するVOCの生長促進効果については従前未解明である。そこで申請者らは、VOC処理による植物の生長速度や脂質収量を左右する種子形成への影響を精査する。これに加えて、生長促進を引き起こすために重要なVOCの化学構造を同定する。さらに、生長促進効果が見られない変異体のスクリーニングを行い、その機能を解析する。本研究課題は、生存圏におけるVOCを介した生物間相互作用の理解へと繋がる高い発展性が期待される。

肥塚崇男: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図

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2018年7月19日作成

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