研究課題
イチジク乳液のオミックスと生化学の総合的解析 ~防御機能を担う二次代謝機能を中心に~
研究組織
代表者 | 北島佐紀人(京都工芸繊維大学応用生物学系) |
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共同研究者 | Eric Savadogo(京都工芸繊維大学応用生物学系) 矢崎一史(京都大学生存圏研究所) Alain HEHN(Universite de Lorraine) 棟方涼介(Universite de Lorraine) |
関連ミッション |
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研究概要
化石資源に依存しかつ生存圏を汚染する従来の化学農薬に代替可能な、新しい病原菌・害虫駆除技術が農業に求められている。 本研究では、植物の乳管細胞と呼ばれる生体防御に特化した細胞に着目し、その細胞質成分(“乳液”)に含まれる未知の防御システムを理解し、抗病原菌・抗害虫GM植物等に応用可能な新規遺伝子ツールを提供する。
モデル植物に乳液が存在しないことも理由となり、乳液の独自な防御システムはほとんど未解明である。乳液生理を解明することで、モデル植物の研究者が見落としてきた新規抗菌・抗昆虫システムの発見が期待できる。本研究が研究材料とするイチジク(クワ科)の乳液においては、防御成分テルペノイドとフラノクマリンに富むことを特徴とする。研究期間においては、実施済みのトランスクリプトーム・プロテオーム・水溶性成分メタボロームデータに加えて、テルペノイドのメタボローム解析および二次代謝系酵素の生化学解析などを新たに実施し、これによりイチジク乳液の防御システムの全容、特に防御物質テルペノイドとフラノクマリン代謝の多様性を理解する。
関連論文
Kitajima, S., Aoki, W., Shibata, D., Nakajima, D., Sakurai, N., Yazaki, K., Munakata, R., Taira, T., Kobayashi, M., Aburaya, S., Savadogo, E.H., Hibino, S., Yano, H.
Comparative multi-omics analysis reveals diverse latex-based defense strategies against pests among latex-producing organs of the fig tree (Ficus carica)
(2018) Planta, 247 (6), pp. 1423–1438. doi: 10.1007/s00425-018-2880-3
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2018年7月19日作成