研究課題
宇宙圏におけるDC電場観測器の高圧集積回路化に関する研究
研究組織
代表者 | 尾崎光紀(金沢大学理工研究域) |
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共同研究者 | 小嶋浩嗣(京都大学生存圏研究所) 石坂圭吾(富山県立大学工学部) 八木谷聡(金沢大学理工研究域) |
関連ミッション |
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研究概要
本研究は新しく高電圧プロセスを用いた電場観測器の集積回路化を図る開発研究である。我々は、これまでプラズマ波動観測器の集積回路化に取り組んできており、「交流」電磁界計測用集積回路は飛翔体実験に耐えうる実用段階に到達しようとしている。一方で、本研究で対象とする高電圧プロセスを用いた広いダイナミックレンジを有する電場観測器の集積回路化は、飛翔体を用いた電磁界観測器集積回路化の最後の砦ともいえるものである。本研究はこれまでの交流電磁界計測用集積回路開発研究の実績を活用し、高電圧回路の集積化を図る。
図 1に衛星観測に用いられる典型的な電場観測システムのブロック図を示す。従来は、高電圧(100 V程度)を必要とするために、ディスクリート部品が多用され、回路面積の大部分を占めている状況である。ブロック図内のバイアス電流と呼ばれる帰還電流は、プローブで検出される電位変動誤差を小さくする役割があり、外部プラズマの微小変動特性を高精度に捉えるために必要不可欠な要素である。このため、本研究では従来の低電圧(3.3 V)プロセスに加えて、このバイアス電流供給部に高電圧プロセスを導入することで集積回路(数mm角の1チップ)化を図る。通常、周辺プラズマに適したバイアス電流値は未知であり、ある電流範囲を掃引することで適正なバイアス電流を選定する。掃引にはソフトウェア側で制御できるが、DACが必要となるなどの負荷が大きい。これに対し本研究では、集積回路の優位性を活用し、複数のバイアス電流を供給できる掃引回路をハードウェアとして提供し、スイッチイングで切り替えることでソフトウェア側の負荷を軽減させることを考えている。また、集積回路レイアウトにおいて、宇宙での使用を念頭に、放射線耐性についても考慮し、トータルドーズ100 kradの耐性を想定している。
図 1:電場観測器のブロック図
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2018年8月1日作成