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2018(平成30) 年度 生存圏科学 ミッション研究 5

更新日: 2018/07/28

研究課題

テトラエチルアンモニウムp-トルエンスルホナートを活用した電解反応におけるリグニンの効率的分解反応の開発

研究組織

 代表者 粳間由幸(米子工業高等専門学校)
 共同研究者 Chen Qu (京都大学生存圏研究所)
渡辺隆司(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム

研究概要

木質バイオマスの中で,従来法を凌駕したリグニンおよび分解リグニンの高効率的な回収を目指す。申請者はこれまでに,電解反応を活用したリグニンモデルの分解を行っており,これらの知見を活かし,まず。①β-O-4タイプのモデルを種々合成し置換基効果について検討を行う。数例の報告は行われているが本反応では電解質にテトラエチルアンモニウムp-トルエンスルホナート溶媒にメタノールを用いる。それゆえ本反応で活用できる置換基効果についてまとめる②アルゴンガス雰囲気のなかで電解反応の反応生成物を評価する③では,環境負荷の低い電解反応によって分解された化合物の有効利用方法について探索する。共同研究者がおこなっているマイクロ波ソルボルシスによる次世代バイオエタノール燃料製造のための前処理技術開発の知見を基に,反応条件の最適化を図る。得られたリグニン分解産物は,④機器分析により構造解析をおこなう。特に,相当数の分解産物の存在が推定されるため,質量分析法を中心に解析を進める。 本研究では有機電解反応をリグニン分子の分解に応用する。電極からの直接の電子移動によって生じる酸化還元反応によってリグニン分子の結合が切断され,リグニンが利用可能な形に変換されることを期待している。有機電解反応がリグニン分子の分解に有効であるかを検討するために,リグニン分子に特徴的なβ-[O]-4結合に近似した構造を持つリグニンモデルを合成し,電解反応を行う。電解処理後は酢酸エチルにて抽出を行い,GC-MS,HPLC,NMR等の分析機器を用いて,分解物の定量分析,構造解析を行う。分解物の特定が可能であれば,分解物の利用価値とその物質を効率的に生産する方法の検討を行う。

粳間由幸: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図

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2018年7月27日作成

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