研究課題
経験的動的モデルを用いた農生態系の構造解明
研究組織
代表者 | 高林純示(京都大学生態学研究センター) |
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共同研究者 | 杉山暁史(京都大学生存圏研究所) 斉藤大樹(京都大学農学研究科) 下野嘉子(京都大学農学研究科) 塩尻かおり(龍谷大学農学部) 潮雅之(京都大学生態学研究センター) 荒木希和子(立命館大学生命科学部) 岡田憲典(東京大学生物生産工学研センター) |
関連ミッション |
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研究概要
本研究は、水田およびその周辺環境に注目しつつ、水田における(1)地上部の生物間相互作用の生態学的解析および分子生物学的解析、(2)地上部生物間相互作用動態を媒介する生態情報化学物質の解析、および(3)経験的動的モデルによるデータ解析、の3研究項目を実施する。各研究項目における研究計画・方法は以下の通りである。研究実施場所は、50年以上無施肥無農薬水田(京都市小倉)およびそれに隣接する慣行防除水田である。
(1)地上部の相互作用の生態学的解析
害虫や天敵、雑草といった地上部生物群衆で構成される相互作用ネットワークを解明する。
◎地上部の生物群集の動態:地上部の構成(作物品種や周辺雑草、昆虫相)を調査する。する。地上部の生物群集動態は、さらに(2)で実施するシグナル物質解析と合わせて経験的動的モデル解析に資する。
◎野外調査におけるサンプリング法や土壌サンプルの解析について、標準化と最適化を行う。様々な農法が実践される農地に適用可能な基礎調査技術の確立を目指す。
(2)地上部の生態情報化学物質の解析
地上部ネットワークを駆動する情報化学物質に関する網羅的解析を、時系列を視野に入れて行う。
◎不揮発性生態情報化学物質の機能解析:イネ葉代謝物のなかのファイトアレキシンに注目し、その微量分析による時系列の計測を実施する。
◎揮発性生態情報化学物質の機能解析:地上部における生物間の相互作用ネットワークを駆動する主要な要因は、植物由来の揮発性の生態情報化学物質である。微量な揮発性物質のブレンドを、揮発物質分析専用ガスクロマトグラフ質量分析計を用い、時系列で解析する。
(3)地上部時系列データの経験的動的モデルによる解析
本課題では,研究項目(1)および(2)から得られた時系列データの経験的動的モデルによる解析を実施し、農業生態系の地上部の構造を明らかにする。さらに農地生態系の将来予測を行うための理論的枠組みの構築を目指す。
調査中の水田の様子(平成19年7月12日)
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2017年7月26日作成