研究課題
小角散乱法によるバイオマス構造のダイナミクス解析
研究組織
代表者 | 今井友也(京都大学生存圏研究所) |
---|---|
共同研究者 | 湯口宜明(大阪電気通信大学工学部) 石丸恵(近畿大学生命理工学部) Paavo A. Penttila(Institut Laue-Langevin, France) |
関連ミッション |
|
研究概要
バイオマスは複数成分の混合物かつ固体構造をもった天然性の複合材料であり、その構造形成過程には生分解性の高い物質でも十分な強度と耐久性を持つ材料を創製するためのヒントが隠されている。またバイオ燃料・化成品原料としてバイオマスを扱う際には、その分解過程を詳細に把握することが重要である。さらに果実の成熟過程の制御はその生産と流通における重要な課題となっているが、この成熟過程はバイオマス構造の劇的な変化に他ならない。以上のようにバイオマス構造の変遷過程を見ることは大変重要な研究課題である。しかし高分子性固体であるバイオマス構造の変遷過程の研究は、生物学と高分子科学・物理学の観点を必要とするため、溶液系における低分子の変換反応ほど研究は進んでいない。
そこで本研究では、高分子集合体スケールの構造を観察することに適しており、かつその場観察を得意とするX線小角散乱法(SAXS)を用いて、バイオマス構造の形成・改質・分解という動的構造変化(ダイナミクス)の解析を行う。具体的な研究対象として、バイオマス固体構造の形成としてセルロース合成、改質として果実の軟化、分解としてセルロース性バイオマスの酵素糖化をとりあげる。これらの試料に対してSAXSその場測定を行い、一般に複合材料の性質に大きく影響するナノ~マイクロメートルの構造のダイナミクスを解明する。
ページ先頭へもどる
2017年7月31日作成