研究課題
化学工業生産への適用を目指したマイクロ波化学プロセスの研究
研究組織
代表者 | 渡辺隆司(京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 三谷友彦(京都大学生存圏研究所) 西村裕志(京都大学生存圏研究所) Chen Qu(京都大学生存圏研究所) 山崎祥子(奈良教育大学) 松村竹子(㈲ミネルバライトラボ) 山下和則(㈲ミネルバライトラボ) 伊藤優樹(㈱ウォーターケム) 平岡俊治(日本化学機械製造株式会社) 蓑毛長弘(日本化学機械製造株式会社) 大代正和(日本化学機械製造株式会社) 桂陽子(日本化学機械製造株式会社) |
関連ミッション |
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研究概要
近年、化石燃料を用いる産業形態による生存圏におけるCO2等の温暖化ガスの蓄積量は、莫大なものとなっており、地球規模の問題である。このような状況下、産業技術の改革により、抜本的な変革が必要なことは明白である。環境に優しい材料の利用、使用電力をはじめ、省エネルギープロセスへの転換は喫緊の課題である。マイクロ波化学技術は1945年の電子レンジの開発に始まり、一般家庭での迅速加熱調理機器として普及し、それとともに産業的な応用が食品の大量乾燥、化成品の生産、分析定量の前処理技術等にその適用範囲を広げてきている。
通常加熱とマイクロ波加熱の比較
マイクロ波化学技術の誘電加熱に基づく、物質の急速内部加熱は省エネルギー、迅速プロセスとして、産業工程の革新に有用である。このような状況のもと、生存圏研究所におけるマイクロ波利用の研究は産学共同による、マイクロ波大型装置の活用によりバイオエタノールのマイクロがスケールアップ合成等に実績を上げてきた。このような実績をもとに、マイクロ波化学合成の適用分野をさらに拡大し、現今の産業基盤である電子材料関連の機能性材料の高品位、省エネルギー合成法をスケールアップ製造に適用しようとするものである。化学製造産業がマイクロ波反応に期待することは、迅速加熱、適所加熱等による加熱効率の向上による省エネルギーだけでなく、マイクロ波使用による選択的、特異的な反応による高収率で副生物の低減と共に、廃棄物の削減をも視野に入れた工程である。更に、マイクロ波反応検討の中で、新たな反応、触媒効果の発見も期待される。これらのアウトプットによりトータルのコストダウンが実現できる。
京都大学生存圏研究所、奈良教育大学、化成品製造産業、機械製造産業の連携研究として、機能性化学材料の工業生産への適用を目指したマイクロ波化学プロセスの研究に取り組む。構成員の専門に応じた寄与によりマイクロ波化学合成の世界が、合成プロセス、評価分析、関連物質への展開等の応用範囲の拡張にもつながり、産業界に対して、脱化石燃料技術のマイルストーンを築く研究である。
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2016年8月5日作成