研究課題
Sweet or bitter? Examining the taste receptor to perceive microbial compound which induces grooming reflex
甘味受容器vs苦味受容器
ショウジョウバエにおける微生物由来味覚刺激により誘導される衛生行動に関わる刺激受容経路の調査
研究組織
代表者 | Frederic Marion-Poll (AgroParisTech兼フランス国立科学研究所) |
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共同研究者 | 柳川綾(京都大学生存圏研究所) 今井友也(京都大学生存圏研究所) 畑俊充(京都大学生存圏研究所) |
関連ミッション |
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研究概要
生物的防除法は、環境と調和した持続的な農業を推進するための手法の一つとして期待されているものである。日本でもグリーンハウスなどで施術の効果が報告されており、有機農法の一つとして導入が検討されている。昆虫の行動による微生物感染抵抗機構が解明されれば、より効果的で安全な施術を行うための要となりえる。例えば、社会性昆虫では、社会的な病気感染抵抗行動が非常に大きな役割を果たしていることが知られる。こうした害虫を標的とした微生物を用いた生物的な害虫管理においては、昆虫の持つ病気感染抵抗行動についての知見を深めることは非常に重要である。こうした理由から、昆虫が環境中微生物をどのように感じ、病気感染に抵抗するための衛生行動を行うのか調査を進めている。
キイロショウジョウバエでは、微生物由来高分子化合物を味覚受容器で受容し、反射的な衛生行動が誘導される。人はパン酵母や納豆など微生物を含む食品を嗜好する一方で、逆に食品腐敗を示唆するものとして嫌悪したりするが、ハエは微生物に由来する味覚的シグナルをどのように感じることで、衛生行動をしているのだろうか。本課題では、この機構の解明を目指す。そのために、微生物との接触により昆虫が行う反射的衛生行動が、味覚受容器のうち甘味(好ましい刺激を受容する器官)と苦み(好ましくない刺激を受容する器官)のどちらで受容器に支配されているのか、また、微生物由来物質を昆虫がどのような刺激としてとらえているのかということを調査する。
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2016年8月5日作成