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2015(平成27) 年度 生存圏科学 ミッション研究 6

更新日: 2016/01/05

研究課題

多様な熱帯木質バイオマスの持続的生産・利用に向けた基盤構築

研究組織

 代表者 梅澤俊明(京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 飛松裕基(京都大学生存圏研究所)
鈴木史朗(京都大学生存圏研究所)
柴田大輔(かずさDNA研究所)
満(九州沖縄農業研究センター)
関連ミッション
  • ミッション 1 (環境計測・地球再生)
  • ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)
  • ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

研究概要

熱帯地域における持続的な大規模産業造林は、持続的な植物バイオマス資源の生産基盤として、我が国の資源確保や熱帯地域住民の経済活動・福祉に大きく貢献する。しかし、熱帯産業造林は、わが国の針葉樹林業が数百年の実績と知識の蓄積の上に成り立っていることに比べ、わずか20年程度の実績・歴史しかなく、植林サイクルがやっと3~4回目に差し掛かったところで、樹病の発生など持続性の問題が急速に顕在化してきているのが実態である。今後持続性の確保に向け、アグロフォレストリーを含めた多様なバイオマス生産系の確立、植栽樹種の多様性の増大、耐病性個体の育種・選抜、樹木以外の高生産性バイオマス植物の増産など、持続的生産・利用と周辺地域の環境保全に向けた技術革新などが求められている。とりわけ大型の熱帯イネ科植物には、樹木の10倍を超える木質(リグノセルロース)バイオマス生産性を有するものが多く、その持続的生産利用方法の確立が強く求められている。

本研究の目的は、近年顕在化してきたアカシア産業造林地における持続性に関わる問題に対処するため、多様な草本バイオマス植物とアカシアの混植による多様性の確保を目指し、多様なイネ科熱帯バイオマス植物の持続的生産と化学成分利用及び熱利用に関する基盤情報を蓄積することである。本年度の目標は、充分な解析がなされていない代表的な大型のイネ科熱帯バイオマス植物の木質(リグノセルロース)化学構造特性と利用特性の解析を進めることである。

本研究の特色は、本研究が生存圏研究所を挙げて取り組むフラッグシッププロジェクト「熱帯人工林の持続的生産利用に関する多角総合的共同研究」の中心課題の一つであることである。

生存圏研究所を挙げて取り組むフラッグシッププロジェクト「熱帯人工林の持続的生産利用に関する多角総合的共同研究」は、生存圏科学の中心課題の一つであり、単なる環境保全・修復研究にとどまらず、人類が生存を続けるために必須の、多様性・環境保全と経済性の高次の妥協点を探るものである。本研究は、この「環境保全と経済性の高次の妥協点」を達成することを最終目標とするものであり、生存圏科学の重要な一部分を分担するものである。

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2015年8月17日作成

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