研究課題
MUレーダー・レイリーライダー・高分解能ラジオゾンデ観測による大気乱流特性の国際共同研究
研究組織
代表者 | 橋口浩之 (京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 矢吹正教 (京都大学生存圏研究所) 山本真之 (京都大学生存圏研究所) 山本衛 (京都大学生存圏研究所) 柴垣佳明 (大阪電気通信大学) 清水健作 (明星電気(株)) Hubert Luce (Toulon-Var Univ./京都大学生存圏研究所) Richard Wilson (LATMOS, CNRS) Dalaudier Francis (CNRS) Delanoe Julien (LATMOS) Hauchecorne Alain (CNRS) Protat Alain (CNRS) |
関連ミッション |
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研究概要
乱流混合は熱や物質の鉛直輸送に寄与する重要なプロセスであるが、そのスケールが極めて小さいことから観測が難しい現象の一つである。気象予報モデルにおいても乱流を直接解像することはできないため、パラメータ化して取り扱われており、観測から定量的に評価することが求められている。京大生存研(RISH)と仏 LATMOS 及び Toulon 大は大気乱流の観測的研究を続けてきた。2000 年に実施した MUTSI 観測キャンペーンでは、高度分解能 20 cm の超高感度ラジオゾンデと MU レーダーとの同時観測から、厚さ 10 m 以下という従来の常識を越える極めて薄い乱流薄層が多重に存在するという驚くべき姿を明らかにし、従来の下層大気における乱流渦による鉛直拡散過程の再考察を迫った。MU レーダーは 2004 年に高機能化への改修が行われ、レーダーイメージング(映像)観測が可能となり、現在ではレンジ分解能が飛躍的に向上した観測が可能となっている。MU レーダーは現在のところ乱流を最も正確に映像化でき、それらの発生・発達・形成メカニズムや、メソ~総観規模現象との関連を研究する上で最も強力な測器である。近年、LATMOS で開発された技術を信楽 MU 観測所設置のレイリーライダー装置に適用し、ライダーによる乱流計測も可能になりつつある。さらに、最近国内メーカーにより 16 Hz サンプリングが可能な気温センサーが開発され、ラジオゾンデ気球に取り付けて放球すると、高度分解能 30 cm で気温プロファイルを取得可能である。本年 10 月に MU レーダーイメージングモードとレイリーライダー・高分解能ラジオゾンデによる乱流の集中観測を実施する。下層大気中には大気乱流の発生源が多く存在しており、乱流は発生源・背景大気状態・大規模場との相互作用などによって特性を様々に変化させる。本共同研究では、日本側の所有する世界最高性能の VHF 帯大型大気レーダーである MU レーダーと、フランス側で開発されたレイリーライダー観測技術、さらに最近国内メーカーで開発された高分解能ラジオゾンデを用いた集中観測により、乱流特性の詳細を明らかにすることを目指す。
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2014年7月15日作成