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2013(平成25) 年度 生存圏科学 ミッション研究 18

更新日: 2017/09/20

研究課題

化石資源代替材料創製に向けた木質バイオマスの急速熱分解条件の最適化

研究組織

 代表者 本間千晶 (北海道立総合研究機構林産試験場)
 共同研究者 俊充 (京都大学生存圏研究所)
渡辺隆司 (京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)
  • ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

研究概要

二酸化炭素の大量放出を続け地球温暖化が問題となっている現状において、低炭素社会実現に向けて未利用植物資材から化石資源代替となる化学品を生産することは急務である。一方、木質バイオマスの急速熱分解により、きわめて短時間で、粘性をもった液化物および熱分解残渣が得られることが知られている。本研究は、直パルス通電加熱による急速熱分解を適用し、木質バイオマスから得られた液化物、熱分解残渣を有用物質として活用することを目的とし、酸化鉄利用条件(種類、配合比)および熱分解条件が、熱分解生成物、液化物組成に及ぼす影響、熱分解残渣性状(部分黒鉛化等)の分析の検討を行う。本研究で検討する、酸化鉄利用条件および熱分解条件の最適化により、化学肥料、塗料、医薬品などの基本化学品を選択的に製造することが可能となる。液化物生産と同時に得られる熱分解残渣と酸化鉄との複合物にも、処理条件毎に異なる機能を有することが期待される。

これまでの検討で、直パルス通電加熱による急速熱分解時の触媒利用条件が熱分解残渣の性状、液化物組成に及ぼす影響として、一部の条件で熱分解残渣中にミクロ黒鉛層が観察されたこと、液化物組成では、一部の芳香族化合物の組成比が増大する傾向がみられるなど、触媒利用が熱分解生成物機能化に寄与することが示されている。本研究では、酸化鉄の木質バイオマス急速熱分解生成物物性に及ぼす効果に着目し、酸化鉄の触媒としての効果の把握ならびに有用物質生成を目的として、木質バイオマスの急速熱分解時の酸化鉄利用条件が液化物組成に及ぼす影響とともに、同時に得られる熱分解残さと触媒の複合物について性状分析を行う。さらに、木質バイオマスから有用物質、特に、フェノール性成分、芳香族炭化水素をより高含量で得るための反応条件、熱分解残渣中の部分黒鉛化に及ぼす影響についても検討する。

本間千晶: 2013(平成25)年度 生存圏ミッション研究Fig. 1. Aparatus and method for collection of pyrolysis products

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2013年7月29日作成

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