研究課題
小型電磁波センサーノードによるセンサーネットワークの開発
研究組織
代表者 | 小嶋浩嗣 (京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 八木谷聡 (金沢大学理工研究域) |
関連ミッション |
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研究概要
人間が日常生活を送っている空間には、様々な電磁波が存在している。それは、人間活動に伴う人工的なものもあれば、自然発生的に存在する電磁波もある。また、その周波数も様々である。電磁波そのものが人体に与える影響については研究が進んでいるところであるが、人体への影響以外でも通信など実用されているものの他に電磁波が人間生活と関わる部分は多くある。電磁波が他の電子機器にあたえる電磁干渉の問題は電子機器の省電力化・高性能化にともない重要な課題となっている。また自然発生している電磁波では雷電により発生する電磁波、宇宙空間より到来する電磁波などがある。
我々はこれまで宇宙空間においてプラズマ波動観測を行ってきた。高感度のプラズマ波動観測器は、それそのものは高感度の電磁波観測器であり、それは地上においても宇宙空間においても利用できるものである。そこで本研究では、小型化したプラズマ波動観測装置を用い、それと無線チップを組み合わせた形で小型センサーノードを開発することにより、多くの点で同時に電磁波を計測し、空間分布・時間変化を記録できる電磁波センサーネットを開発するための技術開発を目的とする。ターゲットとするシステムは宇宙空間における電磁波計測に限定せず、地上において居室の中や屋外での電磁波分布など様々な用途で使用できるシステムを想定する。
プラズマ波動観測器の小型化は以前より取り組んでおり、センサーネットワークのために更に高度化・小型化を図る他、センサーノードのシステム設計(構造モデルを下図に示す)、そこで使用される小型無線装置のインプリメントなどに取り組む。
宇宙空間は人類の将来における生活圏でありそこでの電磁波多点計測は、近い将来必ず必要となるばかりでなく、地上における生活圏における電磁波計測へと発展する本研究テーマは生存圏科学という意味で、未来、および、現在の人間生活圏において密接に関わるものである。
開発した自己伸展型電界アンテナをもつ小型センサーノードの構造モデル.
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2013年7月16日作成