研究課題
宇宙環境を利用した宇宙ごみ(スペースデブリ)除去に関する研究
研究組織
代表者 | 山川宏 (京都大学生存圏研究所) |
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共同研究者 | 中宮賢樹 (京都大学生存圏研究所) 河本聡美 (宇宙航空研究開発機構) |
関連ミッション |
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研究概要
1957 年のスプートニク 1 号打ち上げ以来、人類は活動範囲を宇宙に広げて無数の人工衛星やスペースシャトルを打ち上げてきた。しかし、それと同時に、打ち上げで使用したロケット・スペースシャトルの破片や運用を終了して地球の周囲を浮遊している人工衛星等の宇宙ゴミ(スペースデブリ)は増え続けている(図 1)。これらのスペースデブリは地球低軌道(軌道高度 1000 km 以下)の物では約 8 km/s の速度で移動しており、これらが宇宙上で運用中の人工衛星や国際宇宙ステーションなどに衝突すれば装置が壊れたり乗員の生命に危険およんだりする恐れがある。さらに大きなデブリは大気圏で燃え尽きずに地上に落下する可能性もあり、宇宙開発を継続する上での大きな問題となっている。
よって、本研究ではスペースデブリがより多く混在している地球低軌道のデブリの除去について検討を行う。特に、デブリの軌道を変換させて地球大気圏に突入させるデオービットに焦点をあて、デブリを地球大気圏に落下させるのに必要な制御量や期間を明らかにする。
本研究の特色としては、デブリの軌道変換には推進剤を用いずに、地球の磁場を利用して得られるローレンツ力を推力とする新しい推進技術を用いた手法について検討を行う(図 2)。これらの技術の応用範囲はスペースデブリの除去の範囲に留まらず、観測衛星の軌道制御や将来の惑星探査ミッションへの利用が期待される。
図 1: スペースデブリ(NASA)
図 2: 地磁気との干渉で得られるローレンツ力(JAXA)
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2012年7月30日作成