研究課題
熱帯上部対流圏循環の解明
研究組織
代表者 | 西憲敬 (京都大学理学研究科) |
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共同研究者 | 鈴木順子 (海洋研究開発機構) 濱田篤 (総合地球環境学研究所) 塩谷雅人 (京都大学生存圏研究所) |
関連ミッション |
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研究概要
温暖化を含む地球環境、古気候を含む長期気候変動、地球との比較を意識した惑星大気力学などは、気候研究のこれからの主題であり、このような視点から熱帯大循環像を再構築していくことが、衛星観測によってそれぞれの熱帯現象の記述が進んだこの時期に求められている。2006 年に、GPS 掩蔽法による精密温度測定を広域で可能にした COSMIC、雲や降水の鉛直分布を直接測定するライダー搭載衛星 CALIPSO や雲レーダー搭載衛星 CloudSat などの衛星が次々に運用を開始し、不足していた上部対流圏のデータ事情を一変させた。それらのデータはここに来て 4 年近く蓄積し、統計的な研究に不足ないボリュームをもつにいたった。これらの衛星データを用いて、上部対流圏の定在循環と波動の力学的解析や巻雲および乱層雲などの構造を解析するには絶好のタイミングである。
熱帯上部対流圏(高度 9–18 km)における大規模循環・波動の性質を調べる。さらに、循環形成や波動励起に関係の深い巻雲・乱層雲などの雲活動に関する解析を行う。具体的なテーマは以下に示す 3 つである。
- COSMIC 高鉛直分解能温度データを主に用いた上部対流圏における循環場や波動の解析
- 定在場や赤道波が巻雲分布に与える影響に関するデータ解析
- 大気波動の波源および巻雲発生源としての乱層雲の研究
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2010年7月30日作成