研究課題
超高速に加速したマイクロ粒子と固体との衝突実験
研究組織
代表者 | 柴田裕実 (京都大学工学研究科) |
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共同研究者 | 山川宏 (京都大学生存圏研究所) 大橋英雄 (東京海洋大学海洋科学部) 佐々木晶 (国立天文台) 岩井岳夫 (東京大学工学系研究科) 平井隆之 (総合研究大学院大学) 中村真季 (東京大学新領域創成科学研究科) 池田卓矢 (京都大学工学研究科) |
関連ミッション |
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研究概要
ミクロンレベルの粒子が固体に衝突した時、衝突付近はプラズマ状態が生成されると同時に、固体中では高温、高圧状態が形成され、材料の改変や相変化が起こると考えられる。そのような超高速マイクロ粒子衝突実験を、研究代表者が開発した東京大学(東海村キャンパス)の 3.75 MV バンデグラーフ加速器、京都大学の 100 kV 加速器、及びドイツ・ハイデルベルクのマックス・プランク核物理学研究所の 2 MV バンデグラーフ加速器を用いてを行う。本研究では直径 0.05–1 µm のマイクロ粒子(以下、ダストと呼ぶ)を数 km/s から 100 km/s の速度に加速した後に、金属、高分子、セラミックなどの種々の材料に衝突させた時に起きる現象を電荷測定、二次イオン質量分析、発光測定などによって調べる。
実験では図 1 のように、まず、加速された微粒子の電荷量を 3 個のビームモニターで測り、その飛行時間から速度の弁別を行い、入射ダストのパラメータを決定する。その後、固体標的に衝突の際、金属電極に生じる電荷や放出される電子、イオン、光(UV から赤外)等を電荷測定器、飛行時間型質量分析器、光マルチチャンネル分光器等を用いて測定する。また、圧電素子を用いた測定も行う。これらの測定からダスト衝突の際のエネルギーの蓄積及び散逸過程について考察し、適切な衝突モデルの構築を考える。
なお、東大にある日本唯一の超高速ダスト加速器はイオンの加速も行っており年 2 回 1 ヶ月ずつしか利用できない(実験日数としては年 7–14 日)ので、ダスト専用加速器を所持するマックスプランク研究所にて実験を行う。京大の 100 kV 加速器では数 km/s 以下のダストの衝突実験を行う。
図 1 超高速マイクロ粒子衝突実験の概要。ビームラインの測定系はダストの電荷、速度、質量を計測する。
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2010年8月3日作成