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2022(令和4) 年度 生存圏科学 共同研究 13

更新日: 2022/10/04

研究課題

アジア圏界面エアロゾル層(ATAL)の影響研究:2003~2022年夏季の日本でのライダー連続観測に基づいて

研究組織

 代表者 藤原正智(北海道大学大学院地球環境科学研究院)
 共同研究者 哲(気象庁気象研究所)
白石浩一(福岡大学理学部)
高橋けんし(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御

研究概要

アジア圏界面エアロゾル層(ATAL)は、夏季アジアモンスーン領域の下部成層圏に形成される汚染物質起源のエアロゾル層である。放射過程を介して気候への影響やオゾン層光化学への影響が懸念されている。また、対流圏下層へ戻ってくれば広域にわたり健康への影響もありうる。ATALは衛星観測により発見され、その組成については数値モデル実験により様々な仮説が提唱されているが、直接観測が未だにきわめて限られている。Fujiwara et al. (ACP, 2021)では、つくばと福岡における後方散乱ライダー観測データを用いて、ATALが日本上空へ伸びてくる現象について2018年の事例を詳しく解析し、ATALの後方散乱比の値や偏光解消度の値を明らかにした。本研究では以下を実施する。(1)つくばのライダー観測データ(2003~2021)と福岡のライダー観測データ(2019~2021)について、本研究のために再処理をおこなったうえで、データ解析をおこなう。(2)人工衛星によるエアロゾルのライダー観測の月平均データを解析し、ATALシグナルをマスクしてしまう火山噴火および大規模森林火災によるシグナルの広域分布を把握する。(3)東方流出渦の様子を総観スケールで把握するため、ヨーロッパ中長期予報センターによる化学再解析データCAMSを解析する。また、地上ライダー観測で得られたシグナルがATAL起源のエアロゾル粒子であることを、ECMWFの再解析データERA5を用いたトラジェクトリー解析で確認する。(4)(1)~(3)の解析により、ATAL東方流出現象における、ライダー後方散乱係数(粒子サイズと数密度)と偏光解消度(非球形の度合い)の値の統計値(頻度分布、平均、分散など)、年々の変動、さらに、長期的な変化傾向を明らかにする。

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2022年10月4日作成

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