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2019(平成31) 年度 生存圏科学 萌芽研究 4

更新日: 2019/07/19

研究課題

微結晶磁場配向懸濁体のin situ固体NMRによるセルロース系多糖の構造解析

研究組織

 代表者 久住亮介(京都大学大学院農学研究科)
 共同研究者 和田昌久(京都大学大学院農学研究科)
今井友也(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

セルロースなどの天然多糖では数mmサイズの単結晶を得ることが困難なため、構造解析は一軸延伸処理を施した試料のX線/中性子線回折からなされている。一方、固体NMRを使用すれば、微結晶粉末からでも化学シフトの異方性(CSA)を通じて原子核周りの局所的な電子分布の情報を得ることができる。CSA情報が得られれば、繊維回折図からの構造モデルを精密化できると期待される。しかしながら、固体NMRで一般的なマジック角回転(MAS)下ではCSAが平均化されるため、完全な情報を得るのは難しい。一方、我々はこれまでに、特殊な動的磁場を用いて得られる微結晶の三次元配向体(擬単結晶)を単結晶NMR法へと応用し、微結晶粉末からCSA情報を完全に取得する手法を提案してきた。さらに、固体NMRの強磁場を活用してプローブ内で微結晶懸濁体の三次元磁場配向を達成しつつ、媒体を置換・固化させることなくそのままの状態でのCSA解析が可能な磁場配向プローブを開発している。

そこで本研究では、天然セルロースなど種々のセルロース系多糖の微結晶に磁場配向プローブを適用し、これらのCSA情報の完全取得を試みる。さらに、得られたCSA情報を基に既往の構造モデルの精密化を行う。固体構造の正しい理解を礎とした、天然多糖の高度利用の促進を図る。

久住亮介: 2019(令和元)年度生存圏科学萌芽研究 図

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2019年7月19日作成

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