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2015(平成27) 年度 生存圏科学 萌芽研究 1

更新日: 2016/01/05

研究課題

リグニン-タンパク質相互作用解析を目指したリグニン固定化自己組織化単分子膜基板の開発

研究組織

 代表者 磯﨑勝弘(京都大学化学研究所)
 共同研究者 渡辺隆司(京都大学生存圏研究所)
中村正治(京都大学化学研究所)
光(京都大学化学研究所)
山口亜沙子(大阪府立大学理学研究科)
岡田ひとみ(京都大学生存圏研究所)
大城理志(京都大学生存圏研究所)

研究概要

バイオマスの有効利用は持続性社会を構築するために不可欠な課題として世界規模で精力的に研究開発が行われている。木質バイオマスの中でもリグニンは20~30 %もの高い組成比を有するにも関わらず、複数の繰り返し単位から成る剛直かつランダムな構造を有することから、従来の化学的手法では選択的かつ効率的な有用物質への変換プロセスは達成されておらず、新しい技術開拓が強く望まれている。また、自然界ではCeriporiopsis subvermisporaなどの選択的白色腐朽菌が、酸化酵素とカルボン酸代謝物を利用する遠隔相互作用を介してリグニンの選択的分解を行っていると考えられているものの、酸化酵素-リグニンの相互作用の存在は確認されておらず、人工触媒設計においてこれまでにリグニンに対する分子間相互作用の利用が注目されたことは無かった。もしリグニンに対して高い相互作用を示すタンパク質を見つけることができれば、合成化学的に触媒活性部位をタンパク質に組み込むことで、リグニンの部位選択的かつ効率的な分解を実現する人工酵素の創出につながると期待される。

我々の研究室では、すでに側鎖に遷移金属錯体を導入したメタル化アミノ酸がリグニンの構成単位を抽出したモデル分子に対する酸化触媒として作用し、効率的な分解反応を促進することを見出している。そこで、本研究では、リグニンの有用物質変換を実現する触媒創出のための基礎的知見を得ることを目的とし、リグニンと種々のタンパク質間の定量的な相互作用解析を行うためのリグニン固定化自己組織化単分子膜基板を開発する。

磯﨑勝弘: 2015(平成27)年度生存圏科学萌芽研究 図
リグニン固定化自己組織化単分子膜基板のデザインと作製模式図

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2015年7月31日作成

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