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2014(平成26) 年度 生存圏科学 萌芽研究 12

更新日: 2017/09/23

研究課題

13Cトレーサーを用いた高速増殖性の水圏バイオマスの細胞壁形成機構の解明

研究組織

 代表者 椿俊太郎 (高知大学総合研究センター海洋部門)
 共同研究者 西村裕志 (京都大学生存圏研究所)
平岡雅規 (高知大学海洋生物教育研究施設)
今井友也 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

アオサ類の大型緑藻類は、夏季に富栄養化した閉鎖的海域において異常発生し、海岸の景観を損ねたり、腐敗し悪臭を放ったりするなど、大きな環境問題となっている。一方、アオサ類は高い成長速度を有し、水圏バイオマス資源として有望である。また、(1)大きな藻体は微細藻類と比較して回収が容易、(2)リグニンを持たないため化学変換が容易、(3)緑藻の糖組成はその他の大型藻類と比較して陸上植物に近いといった利点も有している。

アオサ類はセルロースやデンプンに加え、硫酸化グルクロノキシロラムナン(ウルバン)を豊富に蓄積する。我々はアオサ類バイオマスの有効利用のため、アオサ類の水熱分解法を考案するとともに、アオサ類由来のウルバンの化学構造を報告してきた。一方、アオサ類バイオマスの安定供給のためには、アオサ類が高速に増殖する機構の解明と、培養技術への応用が望まれる。特に、夏季に繁茂するミナミアオノリは高温・強光下において 1 日に 2 倍以上にも成長するため、高い光合成能、糖質生合成能、細胞壁形成能を有していると考えられる。そこで、本応募課題では、主要構成多糖であるウルバンに着目して、安定同位体トレーサーとして 13C CO2 を用いてミナミアオノリを培養し、13C ラベル化したミナミアオノリを作製する。質量分析測定および二次元溶液 NMR を用いて、細胞壁中の 13C ラベル化糖の蓄積挙動を解析するとともに、光合成活性を測定し、ミナミアオノリが高速に炭素固定し細胞壁を形成する機構を明らかにする。

椿俊太郎: 2014(平成26)年度 生存圏科学萌芽研究 図図 本研究の概念図

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2014年7月28日作成

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