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2008(平成20) 年度 生存圏科学 萌芽研究 2

更新日: 2017/09/22

研究課題

2008(平成20)年度萌芽ミッションプロジェクト 2
ブラマプトラ川流域における生存圏のエコシステムの持続的発展の可能性

研究組織

 代表者 安藤和雄 (東南アジア研究所)
 共同研究者 塩谷雅人 (生存圏研究所)
泰一 (防災研究所)
小林健一郎 (生存基盤科学研究ユニット)
橋爪真弘 (長崎大学熱帯医学研究所)
徹 (香川大学教育学部)

研究概要

インド亜大陸北東地域のブラマプトラ川流域は、南アジア、東南アジアの枠組みで形成されたでは、これまで見過ごされてきた地域である。この地域では河川との共生を基礎として従来の生活形態が残っている。この築き上げられてきたエコシステムを、将来的、にうまく持続的に発展させる可能性を探ることが本研究の目的である。対象地域であるアッサム、メガラヤ、バングラデシュは、世界の最多雨地域であり、年間平均の降水量が 10 000 mm を越える。この降水量をもたらすモンスーンが、ブラマプトラ川の本流と大小の支流河川を介して独特の自然環境を特徴づけ、自然環境適応型の農業生態系などのエコシステムを形成してきた。しかし、近年「近代灌漑農業の拡大」「衛生的な生活を求めた地下水の飲料水源利用」「焼畑の定畑化」「森林伐採」「氾濫原での道路網・堤防の整備」などの開発と発展の追求は、このエコシステムを一変させようとしている。それに連動して、地球規模の気象変動が、これまで経験したことがないような雨季の大洪水害の発生、乾季の地下水灌漑稲作の拡大による飲料用地下水砒素汚染などの環境問題群が発生し、健康被害を及ぼすようにもなった。ここでは、以下の 2 つの項目について調査研究を進めることにより、本地域の持続的発展の可能性を探ることを目的とする。

(1) モンスーン変動の地域水文環境(洪水害など)への影響

(2) 地域的な環境変化の要因となった生態系の変遷課程(農林水産業生産・生活様式・社会システム・生活インフラ<道路・堤防など>)の近年の変容。

本研究では、ブラマプトラ流域を統合的地域として捉え、マクロの地球環境規模気候変動からミクロの村落の農業生態系までを結びつけて体系的に持続的発展の可能性を考察する。

安藤和雄 2008: ブラマプトラ川ブラマプトラ川

安藤和雄 2008: 雨量計の設置雨量計の設置

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2008年7月22日作成

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