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2008(平成20) 年度 生存圏科学 萌芽研究 1

更新日: 2017/09/22

研究課題

2008(平成20)年度萌芽ミッションプロジェクト 1
揮発性テルペンが媒介する生態系生物間情報ネットワーク

研究組織

 代表者 有村源一郎 (理学研究科)
 共同研究者 矢崎一史 (生存圏研究所)
高林純示 (生態学研究センター)

研究概要

現在地球規模での温暖化が原因となって、地球上の生物の多様性はかつてない速度で失われており、生物多様性の保全は生物科学に科された急務の課題である。生態学の視点からは、地球上の生物多様性がどのようにして自立的に維持されているのか、そのメカニズムを解明することは重要な使命といえ、多くの生態学者がこの課題に取り組んできている。代表者らは、生物多様性の維持促進機構を「生態系生物間情報ネットワーク」の視点から解明するというユニークな視点での研究に取り組んできた。その結果、植物から誘導的に放出される匂いの主成分「テルペン化合物」および「みどりの香り」が媒介する情報ネットワークが、生物多様性の維持促進に大きな役割を果たしている可能性を操作実験により明らかにしてきた。

自然界におけるモノテルペン(オシメン)は花の香りや食害によって誘導される揮発性のテルペン化合物として、植物-昆虫間のみならず植物-植物間のコミュニケーションなどの生物間相互作用に広く関与している。本研究では、リママメから単離・同定されたオシメンの生合成酵素を恒常的に過剰発現させた遺伝子組み換えシロイヌナズナ、タバコ、トレニア植物を作成し、害虫と害虫の天敵である寄生蜂との相互作用を大型のバイオトロン(生態学研究センター既設)内および生存圏研究所内に既設の DASH (持続可能生存圏開拓診断)システムにおける植物育成サブシステムで解析する。本研究における DASH システムの活用は、空間スケールの拡大のみならず、自然生態系を反映した環境での組み換え植物の評価を目指したものである。

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2008年7月15日作成

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